映画「インセプション」あらすじ、感想【コマが鍵?ラストを考察!】

インセプション

奇才クリストファー・ノーラン監督による7作目となる映画です。

ディカプリオ渡辺謙トム・ハーディなど・・・主役級の豪華キャストが終結しているので、彼らを見ているだけでも楽しい作品ですよ!しかもノーラン監督は構想に20年もかけており、SFアドベンチャーの中に見応えあるアクションミステリー要素、そして家族愛まで詰めこんできました。これぞ娯楽映画と言える面白いものに仕上がってますよ!

ちなみにストーリーが結構難しいと言われる事も多いんですが、何となく理解できた程度でも楽しめちゃうので気にしなくていいですw

[ジャンル]SFアドベンチャー
[作品時間]148分
[公開日]アメリカ:2010/7/16|日本:2010/7/23

本記事の内容
  1. 予告動画やキャスト情報
  2. ネタバレありの感想
  3. 評価と鑑賞方法

作品情報

映画批評サイト『ロッテントマト』の評価 (批評家:87%/一般:91%)

インセプション評価引用元:https://www.rottentomatoes.com/

  • 作品賞 – クリストファー・ノーラン、エマ・トーマス
  • 脚本賞 – クリストファー・ノーラン
  • 撮影賞 – ウォーリー・フィスター[受賞]
  • 視覚効果賞 – ポール・フランクリン、クリス・コーボールド、アンドリュー・ロックリー、ピーター・ベッブ[受賞]
  • 美術賞 – 美術/ガイ・ヘンドリックス・ディアス、装置/ラリー・ディアス、ダグ・モワット
  • 作曲賞 – ハンス・ジマー
  • 音響編集賞 – リチャード・キング[受賞]
  • 録音賞 – ローラ・ハーシュバーグ、ゲイリー・リッツオ、エド・ノヴィック[受賞]

アカデミー賞では8部門ノミネートし4部門受賞となりました。他にもゴールデングローブ賞BAFTA賞など、数々の映画賞で称賛されており、この当時はダークナイト・トリロジーもあってノーラン無双になっておりましたw

あらすじ

他人の夢に入り込み情報を抜き出すスパイをしていたコブは、実業家のサイトーからある仕事の依頼を受ける。その内容はライバル企業の会長の息子ロバートの夢に侵入し、自滅に追い込んでほしいというものだった。その為にはロバート自身に「会社を潰す」アイデアを思いついてもらう必要があり、インセプション(情報を植え付ける事)を成功させなければいけなかった。この極めて難しいミッションの為、コブは選りすぐりのメンバーを集結させるが果たしてコブ達は成功するのか?

スタッフ・キャスト

製作 – エマ・トーマス、クリストファー・ノーラン
監督・脚本 – クリストファー・ノーラン
音楽 – ハンス・ジマー

ドム・コブ – レオナルド・ディカプリオ
サイトー – 渡辺謙
アーサー – ジョセフ・ゴードン=レヴィット
モル・コブ – マリオン・コティヤール
アリアドネ – エレン・ペイジ
イームス – トム・ハーディ
ユスフ – ディリープ・ラオ

ロバート・フィッシャー – キリアン・マーフィー

ピーター・ブラウニング – トム・ベレンジャー
モーリス・フィッシャー – ピート・ポスルスウェイト
ナッシュ – ルーカス・ハース

マイルス教授 – マイケル・ケイン


ノーラン組大集合みたいなキャスティングですね!ちなみに製作のエマ・トーマスはノーランの奥さんでいつも一緒に映画作ってますw

※ここからは若干ネタバレがあるのでご注意ください。

感想

インセプション1

  • 難しいけどちゃんと面白い!
  • 圧巻のシーンが盛り沢山!
  • ノーランの作る世界観に脱帽

クリストファー・ノーランは映画バカ

今作品を観て映画沼に引っ張られた人は多いんじゃないだろうか?

例えば初めて監督に興味を持ったとか、脚本に衝撃を受けたとか、トリッキーでインパクトのある映像だとか・・・人を虜にするような「これぞ映画!」といった印象を持たせる作品がこのインセプションだ。ただ冷静に考えてみるとアイデア自体は実に普遍的だったりする。

人の夢の中へ入る・・・

どうだろう?ドラえもんで100回くらい見た気がしない?よく考えたら映画でもちらほら見かける設定だよね。「エルム街!」と叫ぶホラー映画好きの変態達は無視したとしても、結構あるあるアイデアなんだ。それなのに斬新に感じてしまったり、観終わった後に「すごい映画だ」だと思わなかった?安心してほしい、その感性は間違っていない。実際、僕も初めて観た時に「やべえ映画だな」と感じたよ。

何がやべえって超複雑なのに理解できちゃう事。

今作品は冒頭から夢の中でワチャワチャしながら始まる。もっと言えば夢の中の夢でワーキャーしている。かなり非現実的な状況にも関わらず殆ど説明せずに、結構早い段階で本筋のストーリーに突入するのだ。こんな観客を置いてきぼりにするような荒い運転にも関わらず、何となく世界観や設定が頭に入ってしまうって本来ありえないでしょw

あーなるほど、夢の中のそのまた夢の中に入れるわけね。

じゃねーですよ。どうして当たり前のように納得してるんだって話だよねwそこらの凡人がメガホンとってたら開始10分で席立たれてもおかしくないレベル・・・。確かに今作品はストーリーが難解だという人も多いし僕も簡単だとは言わないけど、本来ならもっと理解しにくい映画になっていてもおかしくなかったと言いたいのだ。大体さ、夢の中の夢ならまだしも・・・

夢のまた夢のまた夢・・・さらにもう1段階深く潜ったら、そこは虚無の世界!

一体何を言っているのか・・・何が虚無だ!イカれ監督がよ!クリストファー・ノーランという人は「人の夢の中に入る」という至ってシンプルで普遍的なアイデアを、20年もかけて構想し続け、こんな斬新なストーリーに仕上げた挙句・・・傑作にしちゃったんだ。

バカだと思う。ノーランは本当に映画バカだと思うよ。

無重力の戦闘シーンはどうやったの?

今作品は夢の中が舞台・・・何でもありの世界観は素晴らしい映像を量産した。

ダンボールのように折り曲げられていく街、永遠に上がり続ける事になるペンローズの階段や、無重力状態でのアクションにクライマックスに出てくる虚無の街など・・・どのシーンも見応えしかない迫力で、まさに映画的体験の連続だ。特にジョセフ・ゴードン=レヴィットが演じるアーサーが繰り広げるホテルでの無重力アクションは、あまりにも印象的だった。

一体こんな映像をどうやって撮ったのか?

多分、クリストファー・ノーラン監督の事をよく知っている人ほどわからなかったんじゃないだろうか・・・というのも、この人はCG技術3D撮影など最新技術が大嫌いなのだ。とにかくアナログ撮影を信仰しており、その逸話たるや全てが度を越えている。ちなみにインターステラーでは、99%の監督はCGを使うであろうシーンで、ジェット機の頭にIMAXカメラをつけて撮影したんだ・・・狂ってるよ、この人!

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そんなアナログ大好きノーラン監督・・・もちろんCGなど使っていない。まず無重力な状態だけど、あれはNASAが持つKC-13という航空機で急上昇してから急降下するとね、25秒間だけ機内に無重力状態を作る事ができるから、それで撮影したんだって。これはハリウッドで一般的な撮影手法だと聞いた時に僕は苦笑いしたけど、一般的だっていうんだから仕方ない、納得したさ。

問題は重力が変化しながら戦うシーン・・・あれこそCGの出番だろ!と叫びたいけど・・・残念ながら違うんだ。ノーラン監督はね、あのホテルの廊下を全て作っちゃったのよ。

動画の途中にジョセフ・ゴードン=レヴィットノーラン監督が談笑してるシーンがあったでしょ?「乗り物酔いしちゃうよね。」と話してたらしいwバカすぎる。愛すべき映画バカすぎるよ。企画会議でノーラン監督が「このセットは作るとして・・・」と当たり前のように話し出した事を想像してみてほしい。

僕がスタッフならペットボトル投げつけてるよ。

ラスト・・・トーテムは止まるのか?

複雑怪奇なストーリーと設定に、悪ふざけのような撮影手法による素晴らしい映像・・・

冒頭からギア5速でずーっとジェットコースター状態を保ち、作品としてもSF、アドベンチャー、ミステリー、アクションとジャンルは渋滞状態・・・今作品はこれでもかというほど娯楽をメガ盛りで提供してきた上に、あんなラストを持ってくるんだから驚く。

ちなみに最後のトーテムは止まるのか?回り続けるのか?

僕の答えは止まる・・・つまり夢ではなく現実という結論だ。その理由としては夢の中へダイブする事に否定的だったマイケル・ケインの演じるマイルス教授が一緒にいる事、この1点しかない。逆説的に言えば、あのラストを夢オチにする布石が無いからというのもあるけど、夢だったという解釈でも面白いし別にアリだと思う。

ただ、ぶっちゃけた話・・・夢か現実かなんてもはやどうでもいいんだ。

あのラストシーンは、それよりもトーテムの動きでしか夢と現実を判断できなかったドム・コブが、回り続けるトーテムよりも子供達の顔を見て駆け寄った事が素敵なんだ。やっと過去から解放されたというカタルシスを見事に描いていたと思う。

クリストファー・ノーラン監督はいつも大雑把に風呂敷を広げるけど、最後はちゃんと締めくくってくれる。この綺麗なまとめ方こそが「この映画すげえ!ノーラン監督おもしれえ!」と思わせてくれる理由の1つになっているんじゃないかな。今作品は色々と頭を使うかもしれないけど、最後は心に訴えてくる素晴らしい娯楽映画だよ。

監督は超映画バカだけど。

評価・鑑賞方法

インセプション2

ディカプリオ、渡辺謙など豪華キャスト陣!

今作品の評価
物語・テーマ
(3.0)
配役・演技
(4.0)
演出(音楽/映像/etc)
(4.0)
観やすさ
(3.0)
余韻
(3.0)
総合評価
(3.5)

ダークナイト・トリロジーではスケアクロウ役のキリアン・マーフィー、ラーズ・アル・グール役の渡辺謙、アルフレッド役のマイケル・ケイン、ここにディカプリオトム・ハーディという超豪華なメンツ・・・彼らを観ているだけで存分に楽しめる映画です。ちなみに音楽も素晴らしかったと思います。ノーラン作品常連のハンス・ジマーが作る音は、ミステリー的な雰囲気とアクション的なハラハラ感が共存していて個人的にすごく好きな作曲家ですね!

もしノーラン監督の作品を他に観た事がなければ、まずはバットマン ビギンズダークナイトダークナイト ライジングと続くダークナイト・トリロジー3部作をオススメしますよ!

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「インセプション」の鑑賞方法

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では、良き映画の時間をお過ごしください。


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