映画「新聞記者」あらすじ、感想【プロパガンダ?忖度無しの問題作】

新聞記者

加計学園問題の時に、何度も官房長官に質問を行った事で有名な望月衣塑子記者の「新聞記者」を原案とした映画です。

今作品は既にVODで観れますが、第43回日本アカデミー賞で最優秀作品賞を受賞したという事で凱旋上映されていたので、映画館で観てきました!ちなみにいくつかのブログやyoutubeでレビューを見渡してみましたが、どうしても政治的思想が混じったレビューが多いようですねw確かに現実で起きた事件がモデルとなっている描写がある為「これは実話なのか?」と思わせるような雰囲気もありますが、あくまでもサスペンスフィクションなのでご注意ください。

本記事では1本のエンタメ作品として忖度なくレビューしていきますので、どうぞ宜しくお願いします。

[ジャンル]サスペンスヒューマンドラマ
[作品時間]113分
[公開日]2019/6/28

本記事の内容
  1. 予告動画やキャスト情報
  2. ネタバレありの感想
  3. 評価と鑑賞方法

作品情報

新聞記者1

  • 最優秀作品賞
  • 最優秀主演男優賞 – 松坂桃李
  • 最優秀主演女優賞 – シム・ウンギョン
  • 優秀監督賞 – 藤井道人
  • 優秀脚本賞 – 詩森ろば、高石明彦、藤井道人
  • 優秀編集賞 – 古川達馬

日本アカデミー賞で3部門最優秀を受賞しました。松坂桃李は2019年にも孤狼の血最優秀助演男優賞を受賞しましたから2年連続ですね!イケメンな上に演技も良いとか・・・邦画界の宝でございます。いつか英語を勉強してハリウッドも・・・!?期待しております!

あらすじ

ある日、極秘情報が記された匿名のファックスが東都新聞社会部に届いた。若き女性記者・吉岡エリカは、その情報を基に上司の陣野から大学新設計画に関する調査を任され、内閣府の神崎という人物に辿り着くが、その神崎は自殺してしまう・・・。さらに調査を進めた吉岡は、神崎の元部下で現在は内閣情報調査室で働く杉原拓海と出会い、2人は国家を揺るがす程の事実を知る事になるが果たして・・・?

スタッフ・キャスト

原案 – 望月衣塑子「新聞記者」、河村光庸
監督 – 藤井道人
脚本 – 詩森ろば、高石明彦、藤井道人
音楽 – 岩代太郎

主題歌 – OAU「Where have you gone」

吉岡エリカ – シム・ウンギョン
杉原拓海 – 松坂桃李

杉原奈津美 – 本田翼
倉持大輔 – 岡山天音
関戸保 – 郭智博
河合真人 – 長田成哉
神崎千佳 – 宮野陽名
都築亮一 – 高橋努

神崎伸子 – 西田尚美
神崎俊尚 – 高橋和也

陣野和正 – 北村有起哉
多田智也 – 田中哲司


個人的には北村有起哉の渋い演技が1番良かったです!あと相変わらず田中哲司のギラついた目つきは非常に怖く、改めて知的な悪いおじさんがよく似合うと思いましたw

※ここからは若干ネタバレがあるのでご注意ください。

感想

新聞記者2

  • 片言日本語を話す主人公は冷める
  • 後半からの展開はスペクタクル!
  • 要はノワール物のバディムービー

なぜ?韓国女優が主演を担った理由

今作品の主人公・吉岡片言の日本語を話す。

そりゃそうだ、演じたのは韓国の女優シム・ウンギョンなのだから。僕は原案となった望月衣塑子記者の「新聞記者」を読んでないので詳しく知らないんだけど、そもそも主人公の設定は韓国人と日本人の両親を持つハーフらしいのでギリセーフという判断をしたのかもしれない。それと反政府色の強い作品という事で、オファーを受ける日本の女優さんがいなかったという噂もある。

知らんけど、それなら設定を変えようよ。

日本が舞台のシリアスなサスペンスストーリーで、主人公が片言日本語はいくらなんでも違和感でちゃうってw望月衣塑子記者の背景がそういう人だからとか全く理由にならないし、ノンフィクション的にしたかったなんて作り手側のエゴでしかない。

「この映画はただのフィクションじゃない」

予告にこんなコピー出すという事はそれなりの実話を基にしてるんでしょ?日本の政治の闇を暴きたかったんでしょ?それなら余計リアリティを追及するべきだったし、リアリティを追及するなら主人公が片言という点はいただけない・・・絶対に妥協するべきじゃなかったはずだ。

はっきり言って僕はプロパガンダ映画だとしても構わないと思っている。映画にはそういう側面があった時代もあるし・・・そんな事よりも1本のエンタメ作品として質を上げる努力をしてほしいんだ。国から圧力があっただとか、日本アカデミー賞が信用ならないコンテンツになってるだとか、問題は山積してるんだろうけど、日本市場しか見ないで映画作ってるなら「やめちまえ!」とさえ思うよ。

ロッテントマトで評価もされてない事実をよく考えて欲しい。

誤解してほしくないのはシム・ウンギョンの演技自体は問題ないんだ。片言の日本語を話す主人公という設定で製作に踏み切った事が問題なんだよ。と・・・片言日本語について散々ぶちまけてるけど、今作品の問題点はこれじゃないんだ。そもそも役者の演技云々で言えば松坂桃李や、田中哲司北村有起哉などシム・ウンギョン含めて素晴らしかったんだから。

何が問題って前半がつまらないのよ。

冒頭に持ってくるべきだったシーン

今作品は主人公の吉岡杉原の2人が、政府の中枢・内閣情報調査室(以下、内調)という巨悪に立ち向かう一種のノワールものであり、バディムービーでもある。

この2人の主人公が出会ってからは展開が一気に進み、テンポもよく、最初から最後まで保ち続けたシリアスな雰囲気も相まって実に見応えがあった。ツイッターなどネット上で情報操作をする内調のエリート官僚達や、それを指揮する田中哲司の演じた多田無機質な怖さはホラーのようなゾクゾク感があったね。

細かい部分を突っ込むと、内調を描く際に照明をつけてない真っ暗な部屋という演出はちょっとやり過ぎだったかもwあの演出をするなら、杉原と奥さんのシーンや吉岡と同僚のシーンはもう少し明るめにした方がより良い対比になったと思う。ただ、そんな事よりも主人公2人が出会うまで・・・つまり前半が異常につまらない!物語が転がりだすキッカケである神崎の死が遅すぎるのよ。

あのインパクトのある飛び降りシーンをなぜ冒頭に持ってこなかったの?

開始5分以内にフックとして神崎の飛び降りシーンを入れて、そこから回想シーンに突入し神崎と杉原の関係性や吉岡の紹介で良かったでしょ。30分くらいかけて主人公2人を別々に紹介されても、観てるこっちはある疑問が頭に浮かんでモヤモヤしちゃうのよ。

この映画は主人公が何をどうするストーリーなの?と。

神崎が自殺した理由をひも解いていく事がストーリーのメイン導線となっていくよね。そこから巨悪に一矢報いる為、2人が立ち向かうわけだよね。そこを前半にしっかり描かないのはきつい。はっきり言って日頃から映画を観ない人だったら、開始15分以内に観るのやめてもおかしくないレベルだと思うよ。

これは片言日本語の主人公よりも致命的な問題だった。

ラストの松坂桃李、圧巻の演技力

生きてる人間とは思えない表情は素晴らしかった!

正直、全体的にキャラクターの心情描写はイマイチだったけど、あの横断歩道を挟んだラストシーン・・・オチがわかっていても震える極上の〆だったと思う。甘いマスクの松坂桃李があんな目と表情になるんだな~と感心してしまった。虎狼の血でも驚かされたけど、どんどんと演技の幅が広がってるよね、この人w

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ただ贅沢を言うと、ラスト直前の多田杉原に「お前、海外に左遷な」と恫喝するシーン・・・そんな理由で!?とちょっと脚本と構成に難癖はつけたくなったかもw杉原は奥さんと生まれたばかりの子供がいる中で、自身の正義を貫く覚悟をしたわけだよね。それなら恫喝シーンの後に杉原の心情描写を挟んでからラストに突入してほしかった。

「仕事やめればいいじゃん」

無粋かもしれないけど僕はこう思っちゃったのよ。確かに精神的にも追い詰められたからこそ、視野も狭くなり他の選択肢なんて考えられなくなってしまった・・・というのはわかる。でも海外に左遷という恫喝ではちょっと弱くない?そこまでの説得力にはなってないと感じちゃった。

  • 片言の日本語を話す主人公
  • 冒頭~前半がつまらない
  • 脚本、構成、演出と様々な部分で雑に感じる点がある

というわけで、僕は今作品をそこまで完成度が高い映画とは思えなかったけど、よく作ったとも同時に思う。製作側がどんな政治的思想を持っていようと、現政府を批判するような映画が表に出てくるってかなり珍しいし、世間に対して強いメッセージを送りたいという強い気持ちや気概は買いたい。せっかく後半~ラストは面白かったんだから次はもっともっと練ってくれ!

プロパガンダ映画だろうと、1本の映画として面白ければ僕は絶賛するから頼むわ。

評価・鑑賞方法

新聞記者3

印象操作?プロパガンダ映画なの?

今作品の評価
物語・テーマ
(2.5)
配役・演技
(3.5)
演出(音楽/映像/etc)
(1.5)
観やすさ
(2.0)
余韻
(2.5)
総合評価
(2.5)

製作側はプロパガンダ映画として作りたかったのかもしれませんが、個人的にはどちらでもいいというのが正直な気持ちです。はっきり言って今作品がノミネートした第43回日本アカデミー賞は、過去最悪のラインナップでしたし、信用性・権威性はかなり落ちたように思っています。

僕はアニメ、漫画、ドラマ、音楽と様々なコンテンツがある中で映画こそが最上級のエンターテインメントだと信じています。日本の映画界には色々と大人の事情があったり、まさに今作品が批判している忖度があるのかもしれませんが、兎にも角にも面白い作品を作っていただきたいと心より願っております。

ちなみに、そんな僕が好きな邦画を1本紹介しておきますね!桐島人生で1度は観て欲しい傑作ですよ!

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「新聞記者」の鑑賞方法

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では、良き映画の時間をお過ごしください。

(C)2019「新聞記者」フィルムパートナーズ