映画「エイリアン2」あらすじ、感想【ジェームズ・キャメロン最高傑作】

エイリアン2

1986年公開。リドリー・スコット監督の前作から7年・・・今度はターミネーターで一躍有名になったジェームズ・キャメロン監督がメガホンをとりました。

前作はSFホラーの金字塔ですが、今作品はホラー要素よりもアクション要素が強くなっていて、ジャンルとしては違う映画なんですが、これがまた前作とは違う面白さで映画史に残る傑作となっています。30年以上前の作品だからって「古臭そう・・・」と敬遠してるなら勿体ないですよ。現代のVFXやCGの映像も素晴らしいですが、アナログによる迫力と説得力、そしてテンポの良いストーリー展開は度肝を抜かれるはずです!

本記事ではあらすじ、キャスト・スタッフ情報の他に、個人的な感想、視聴方法も記載しています。

ジャンル:SFアクション
作品時間:137分

作品情報

  • 視覚効果賞 – ロバート・スコタック、スタン・ウィンストン、ジョン・リチャードソン、スザンヌ・ベンソン[受賞]
  • 音響編集賞 – ドン・シャープ[受賞]
  • 主演女優賞 – シガニー・ウィーバー
  • 作曲賞 – ジェームズ・ホーナー
  • 録音賞 – グラハム・V・ハートストーン、ニコラス・ラ・メジャラー、マイケル・A・カーター、ロイ・チャーマン
  • 美術賞 – ピーター・ラモント、クリスピン・サリス
  • 編集賞 – レイ・ラヴジョイ

アカデミー賞でも7部門受賞候補に入り高い評価を受けました!

エイリアンシリーズはその作品によって、初期3作のジャンルが違うのも1つの魅力だと思います。伝説の始まりである1作目はホラーですが、今作品の2はアクション超大作に仕上がってますよね。そして駄作と言われてますが、エイリアンを使ってミステリーを作ったデヴィッド・フィンチャー監督の3作目も僕は好きですよ!

  1. 1979年 – エイリアン
  2. 1986年 – エイリアン2
  3. 1992年 – エイリアン3
  4. 1998年 – エイリアン4
  5. 2004年 – エイリアンVSプレデター
  6. 2007年 – AVP2 エイリアンズVS.プレデター
  7. 2012年 – プロメテウス
  8. 2017年 – エイリアン:コヴェナント

あらすじ

ノストロモ号の唯一の生存者エレン・リプリーは、地球周回軌道付近の宙域で救助された。57年も宇宙を彷徨っていたリプリーは、エイリアンとの遭遇により仲間が殺されノストロモ号を爆破するしかなかったと説明するも、会社は聞く耳を持たなかった。しかし、彼女がエイリアンに遭遇した惑星に20年前から入植していた157人の連絡が途絶えた為、海兵隊と共に再度向かう事となる・・・。

キャスト、スタッフ

原作/キャラクター創造 – ダン・オバノン、ロナルド・シャセット
監督・脚本 – ジェームズ・キャメロン
原案 – ジェームズ・キャメロン、デヴィッド・ガイラー、ウォルター・ヒル
音楽 – ジェームズ・ホーナー

エレン・リプリー – シガニー・ウィーバー
ニュート – キャリー・ヘン
ビショップ – ランス・ヘンリクセン

ドウェイン・ヒックス – マイケル・ビーン
ウィリアム・ハドソン – ビル・パクストン
ジェニット・バスケス – ジェニット・ゴールドスタイン
スコット・ゴーマン – ウィリアム・ホープ

マーク・ドレイク – マーク・ロルストン
アル・エイポーン – アル・マシューズ

リッコ・フロスト – リッコ・ロス
シンシア・ディートリック – シンシア・デイル・スコット
トレヴァー・ウィズボウスキー – トレヴァー・スティードマン
ティム・クロウ – ティップ・ティッピング
コレット・フェッロ – コレット・ヒラー
ダニエル・スパンクマイヤー – ダニエル・カッシュ

カーター・J・バーク – ポール・ライザー

ヒックス、ハドソン、バスケスにゴーマン・・・そしてビショップなど、今作品はリプリーとエイリアンだけじゃなく、脇の海兵隊陣も魅力的なキャラクターが揃ってましたねwちなみに赤バンダナのバスケスさんですが、ターミネーター2でジョンの里親のお母さんを演じていた女優さんです!意外と気付かないものですよね。

※ここからは若干ネタバレがあるのでご注意ください。

 

 

感想

  • ジェットコースターのような2時間
  • 緊迫感が切れない秀逸な状況
  • クイーンという絶望的なラスボス

映画を作るのが上手すぎる監督

ジェームズ・キャメロン、この人は監督業だけではなく脚本家としても素晴らしく、アイデアマンでもある天才。

エイリアンはリドリー・スコット監督による1作目がまずSFホラーの金字塔と言える超名作なわけで、次作である今作品への期待値は尋常ではなかった。でもこの天才監督はそんなハードルをいとも簡単に超えてきた。

「今度は戦争だ!」

当時のキャッチコピーも素晴らしいよねw言葉通り、ジェームズ・キャメロン監督は今作品をホラーではなくアクション超大作に仕上げてきたのだ。1作目はどこにいるかわからないという見えない恐怖で絶望的な緊張感を演出したが、この2作目ではエイリアンが完全に見える状態・・・なんならウジャウジャ出てくるのに観客の体感するものは同じく絶望的な緊張感なのだ。冷静に考えて、これかなりすごい事だよね。エイリアンという作品はシリーズものだから、何となく全て同じ印象を持っている人が多いと思うけど、ナンバリングごとに違うジャンルになっているというのはかなり希有だと言える。デヴィッド・フィンチャー監督の3は駄作と言われるけど、個人的にはそう思わない。あまりにも1と2が面白すぎただけなんだ。

ちなみに今作品は冒頭から1時間くらい・・・実は何も面白い事は起きない。57年ぶりに目覚めたリプリーとまわりの人間達が地球という安全な状況で、宇宙にはエイリアンがいるいないで揉めてるだけだ。しかし観客はずっとハラハラさせられてしまう。これはジェームズ・キャメロン監督の巧さがある。

1作目はプロモーションの段階でエイリアンがどういうキャラクターなのか伏せて、その姿形がわからない状態で公開していたけど、今作品は1と違って、既に誰もがエイリアンという凶悪な宇宙生物を知っている状態で観るよね。この観客の前提知識というトラウマを利用して、前半1時間はエイリアンなど出さずとも緊張感を持続させてしまっている。その代わりリプリーを中心に登場人物の心境をわかりやすく描いた。

「おお、今回はこいつらが活躍するんだな!」

同行する海兵隊の面々もアクが強い奴らばかりで、観てるこっちはちょっとしたアベンジャーズ気分!そして舞台はエイリアンのいる惑星LV-426へ!テンションの跳ね上がる音楽もかかり、「さあ!おっぱじめようぜ」状態。

で、半分以上殺されるw

唖然じゃすまない、さっきまでのお祭り気分なんて塵となり、気分は絶望のどん底・・・そりゃそうだ、だって我々は1時間もかけて屈強な登場人物達を紹介されたからね。リドリー・スコット監督が作った1作目の圧倒的な恐怖のトラウマを引き継ぎ、冒頭から1時間かけて僕らを安堵させ、そして急に谷底へ落としたんだ。

えぐいなんてもんじゃない。ジェームズ・キャメロン・・・この監督は映画を作るのが上手すぎる

途切れない緊張感はまるでジェットコースター

半分以上がいきなりエイリアンに殺されて観客も海兵隊も絶望の上パニックだ。

なんならアンドロイドのビショップでさえ焦ってただろう。でもそこは我らがリプリー!彼女だけはやる気満々、生きて帰る為に冷静かつスピーディーに物事を把握、判断していく。そしてリプリーの考えた撤退作戦、これがスタートしてからが今作品の本番だ。

もうここからエンドロールまでは息吸う事さえも忘れるようなジェットコースターが続く。しかもその中でエイリアンの怖さは常に横切ってくる。はっきり言って、この映画は観る度に寿命が1年縮んでるんじゃないかとまで思えてくるよ。

今作品の素晴らしい点は緊張感を持続する為の設定が、そこかしこに仕掛けられており、その全てが機能している事だ。例えば登場人物でいうと、まずはニュート・・・小さな女の子だから、そこにいるだけでエイリアンにいつ殺されてもおかしくない存在だよね。そしてもう1人がバークというサイコパスwエイリアンを生きて地球に持って帰ろうとしている彼のイカれた言動には誰もがイライラしてしまう。この2人のキャラクターの配置は秀逸だ。この映画は1作目で1匹だけでも絶望したエイリアンがゴキブリのようにうじゃうじゃ出てくる。それだけでも気が狂いそうなのに、この2人のおかげで余計ハラハラするよね。

これに加えて1作目でもあった爆発までのカウントダウン、そして限られた残りの武器・・・もう全く生き残れる気がしないwジェームズ・キャメロン監督は観客にいつ爆発してもおかしくない大量の不発弾を抱えさせたんだ。こんな状況下でバスケスゴーマンのドラマを入れ込む余裕があるあたり、手腕が巧みすぎてむかつくレベルだよ。

そして散々ハラハラさせてビビらせてからのクイーンwやりたい放題にも程があるわ。

観客がフリーズする程の恐怖・クイーン

映画史上、これ程まで勝てる気がしないラスボスはいないだろう。

エイリアンの卵を産み落とす親玉クイーンがいる部屋に、リプリーが辿り着いた時の絶望感・・・あれは背筋が凍るどころではない。どうやってここから生きて帰るの?もう考える時間も余裕もない・・・あまりにも怖すぎるフォルムと、誰が見たって一発でわかる人間じゃ勝てない感は観客を完全にフリーズさせてくる。

この時にリプリーがとった異常行動はあえてここに書かないけど、観た事無い人は覚悟しておいてほしい。危うくスクリーン内に入っていって、リプリーに説教をしてクイーンに土下座するレベルだ。ここまでの流れも本当に怖いジェットコースターだったけど、ジェームズ・キャメロン監督はこのクライマックスでさらに直滑降をアクセル全開で踏んでくる。

どういう気持ちで脚本を書いてたんだか・・・w

このクイーンの登場からラストまでは、それまでの怖さを軽々と越えてくるよ。最終対決時にリプリーはパワーローダーという重機を使うんだけど、彼女のかっこいい登場シーンを見せられても「いける・・・?それ」と不安を覚える程、クイーンは怖いし強いw

ジェームズ・キャメロン監督・・・アバター以降は製作総指揮などにまわり、自身でメガホンをとる事がなくなってしまったけど、今作品やターミネーター2など、今観ても全く色あせない名作を世に出した功績は計り知れない。まだ観てない人は本当に勿体ないよ!

エイリアンの1と2は怖いのが苦手な人にも是非観てもらいたくなる超傑作だ。

評価、視聴方法

王道の傑作を作れる名監督

映画界には色々な監督がいますが、このジェームズ・キャメロンは中でも飛びぬけた人と断言します。

「こんな映画は今まで観た事がない!」とかよく聞きますよね。邦画ならカメラを止めるな!とか、アカデミー作品賞を受賞したバードマンなんかはかなり特殊な作り方がされており、確かに観た事がない映画で且つ、面白い映画となっています。別にジェームズ・キャメロンはこうした今までにない映画を作る人じゃありません。

でも、王道の傑作を作れちゃう人なんですよ。

ターミネーター2もそうですが、映画をあまり観ない人からシネフィルまで・・・誰だろうと納得させる説得力のある映画を作ってきちゃうんです。僕は全作品を好きとは言いませんが、間違いなくエイリアン2は映画史に残る最高傑作の1つだと思います。

その後のエイリアン作品がイマイチと評価されるのは、このジェームズ・キャメロン監督のせいです。この人があまりにも面白すぎる作品を作ってしまったからです!そういう事にしないと3作目を監督したデヴィッド・フィンチャーのファンである僕は、危うくジェームズ・キャメロンを嫌いになってしまいますよw

ここまでハードルあげても、初めて観る人は楽しめるはずなので是非1度ご鑑賞を!

「エイリアン2」の視聴方法

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エイリアンシリーズ一覧、貼っておきますね。

1979年 – エイリアン
1986年 – エイリアン2
1992年 – エイリアン3
1998年 – エイリアン4
2004年 – エイリアンVSプレデター
2007年 – AVP2 エイリアンズVS.プレデター
2012年 – プロメテウス
2017年 – エイリアン:コヴェナント

では、良き映画の時間をお過ごしください。