映画「バットマン ビギンズ」あらすじ、感想【忍者が原点!必見のリブート3部作の1作目】

バットマン ビギンズ

2005年公開。

今作品はクリストファー・ノーラン監督によるバットマンリブート3部作、通称ダークナイト・トリロジーの1作目となります。

ここ数年は、映画界でMCUなどのアメコミやシン・ゴジラなど、大人向けにリブートされる事が多いですよね。今作品はこうした流れを作った原点と言えます。映画史には数多のシリーズ物がありますが、この3部作は全作面白いのでかなりオススメですよ!ちなみに元のバットマンを知らなくても全然楽しめるのでご安心ください。

本記事ではあらすじ、キャスト・スタッフ情報の他に、個人的な感想、視聴方法も記載しています。

ジャンル:クライムアクション
作品時間:152分

作品情報

  • ファンタジー映画賞
  • 主演男優賞 – クリスチャン・ベール
  • 脚本賞 – クリストファー・ノーラン、デヴィッド・S・ゴイヤー

サターン賞では重要な賞をしっかり受賞していますね。アカデミー賞でも撮影賞はノミネートしました。

興行収入も3億7,200万ドルですので成功と言えるんですが、当時は意外と賛否両論でした。それは元祖バットマンと全く違うテイストだったからじゃないかと思います。

ダークナイト・トリロジー3部作はこちら↓

  1. バットマン ビギンズ
  2. ダークナイト
  3. ダークナイト ライジング

あらすじ

裕福な家庭に育ったブルース・ウェインは、ある日ゴッサム・シティを作った両親とオペラに行った。しかし、その帰路で強盗のジョー・チルに両親を殺された事で孤児になり、執事のアルフレッド・ペニーワースに育てられる事になる。14年後・・・汚職と腐敗にまみれたゴッサム・シティと戦う為、ヒマラヤでラーズ・アル・グールの下で修業を重ねゴッサムに戻るが・・・

キャスト、スタッフ

監督 – クリストファー・ノーラン
脚本 – クリストファー・ノーラン、デヴィッド・S・ゴイヤー

ブルース・ウェイン – クリスチャン・ベール

ヘンリー・デュカード – リーアム・ニーソン
レイチェル・ドーズ – ケイティ・ホームズ

ラーズ・アル・グール – 渡辺謙
ジョナサン・クレイン(スケアクロウ) – キリアン・マーフィー

アルフレッド・ペニーワース – マイケル・ケイン
ジェームズ・“ジム”・ゴードン – ゲイリー・オールドマン
ルーシャス・フォックス – モーガン・フリーマン

渋い脇役が揃っていますが、個人的にはゴードン演じるゲイリー・オールドマンが大好きです。相変わらず素晴らしい演技で存在感がありましたね!

※ここからは若干ネタバレがあるのでご注意ください。

 

 

感想

  • 大人向けにリブートした発明的作品
  • 本質は濃密なバットマンの前日譚
  • 映画界屈指の変人・クリストファー・ノーラン

ありそうでなかったリアル路線のリブート作品

まずリブート作品というのは、あるキャラクターや設定を刷新して、新たに作り直す作品の事。

代表的なのはマーベルシリーズ・・・原作をリブートしてかなりの本数が作られているけど、この流れを作ったのが今作品から始まるバットマン3部作、今では当たり前となった大人向けリブート作品の原点と言える。

公開時は、まだ過去作品をリブートするという文化がそこまで浸透していなかった上に、下火になっていた子供向けの過去作のリブートと言われても反応がイマイチだった。それをノーラン監督は圧倒的なリアリティと、しっかりとしたバットマンの設定や背景を盛り込み、骨太な大人向けに作り変えてきたのだ。ちなみに3部作で1番面白いと言われているのは2作目のダークナイトで僕も同意見だけど、それは今作品が素晴らしい出来で、ちゃんと布石になっていたからだと思う。

何故バットマンが生まれたのか?ゴッサム・シティはどう変化していったのか?他にもウェイン家の過去、バットマンが使う道具の経緯など・・・懇切丁寧にバックグラウンドを描いてくれたおかげで、ものすごい濃密なストーリーになっている。

正直ブルース・ウェインがバットマンになっていった理由は少々強引に感じるし、忍術が原点だったというのも若干苦笑いしてしまうところはあるんけど、それでもここまで徹底的にリアリティを盛り込まれたリブート作品というのは、ありそうでなかったから新しさがあったんだよね。そして、このリアリティこそがバットマンをただのアクションファンタジーではなく、ドキュメンタリーのような人生譚へと昇華させたと思う。

アメコミのキャラクターというのは、そのフォルムだけでものすごいパワーとインパクトを持つアイコンだ。そこにここまで素晴らしいディテールを付随させたというのは、もはや発明に近い。今ではマーベルのキャラクター達が沢山リブートされて、映画界の新しい1つのジャンルになったと言っても過言ではないよね。

この流れを作ったクリストファー・ノーラン監督には感謝しかないよ。

脇を固める名優達にも注目

主役のクリスチャン・ベールも素晴らしかったが、今作品は魅力的な脇役にも注目すべきだ。

名作量産機と化しているモーガン・フリーマンゲイリー・オールドマンはもちろん、ノーラン作品では欠かせないマイケル・ケイン、スケアクロウ役のキリアン・マーフィーに我らが渡辺謙!男なら誰もが憧れる渋いオジサン達の宴だ。

特にゴードンを演じたゲイリー・オールドマンは最高だったね。バットマンの数少ない理解者で、腐敗したゴッサム市警の良心としてあり続ける実直な警察官の役なんだけど、スピンオフでゴードンの映画をやってほしいくらい魅力的なキャラクターだ。個人的にはどうしてもレオンの印象が強いんだけど、今作品の善玉キャラもまたいい!本当に何でもこなす最高峰のバイプレイヤーだね。

ちなみに今作品で僕が1番好きなシーンは、中盤のバットマンとゴードンの会話・・・この時のゲイリー・オールドマンは演技とは思えない程の超自然体で、ゴミを捨てる時の目線だけで夜のゴッサムシティが危険だとわかるし、自然にドアを閉めてバットマンと会話する演出もゴードンの家族愛が伝わって本当に良いシーンだった。もし、ゴードン役が他の役者だったら面白さがかなり減っちゃったかもしれない・・・僕が個人的に好きだから言ってるのではなく、本当にそれくらい魅力的なキャラクターに仕上がっていた。

それにしても・・・あの人、あんなに優しい目できたんだねw

逆にゲイリー・オールドマンの狂気の演技を見たければレオンをチェックしてほしい。バットマンの敵役に出てきてもおかしくない程の悪役を演じてるからビックリすると思うw

過去のバットマンってどんな映画なの?

バットマンのルーツはDCコミックスが作ったアメリカの漫画で、初めて世に出たのはなんと1939年・・・もはや古典だよね。

今作品が世に出るまでバットマンの印象と言えば、1989年に作られたティム・バートン監督による実写映画だったけど、実は1966年に「バットマン オリジナル・ムービー」という日本のヒーロー戦隊モノのような作品が作られている。これは第二次世界大戦後に「明るく社会の為に行動する立派な市民」として描かれるようになった事で、かなりコミカルな作風になっていて、その流れを汲んでティム・バートンのバットマンもダークコメディ風に作られた。

では、何故ノーラン監督はここまで陰惨な雰囲気のバットマンを作ったのか?

実は1939年に作られた漫画こそ、今作品の原作なのだ。例えば両親を目の前で殺されたという設定や、犯罪者に対して「恐怖の象徴」が必要だと考え、自身が恐怖を抱いたコウモリをモチーフにした事だったり、バットモービルやバットウィングといったアイデアまで・・・全てこの初期の段階で作られている。

つまり、今作品こそが原作を忠実に描いた初の実写化という事だ。

約90年前に作られた作品が今もなお愛され続けているというのは驚くよね。というわけで実はかなり古い歴史を持つバットマンだけど、全く古臭さを感じないどころか、むしろ新しささえ感じてしまう傑作なのは間違いない。マーベル作品とは相いれないDCコミックス作品だけど、同じアメコミ映画としてマーベルファンの皆さんにもオススメする傑作だよ。

最後に1つだけ・・・今作品は1本の映画として十分に面白い。ただ、あくまでもバットマンの前日譚であり、ダークナイト・トリロジー3部作の本番は2作目と3作目だ。

映画史上最高峰の悪役が出てくるダークナイトを楽しむ為にも、この1作目は絶対観て欲しい。

評価

クリストファー・ノーラン監督という変人について

もしかしたら現状の映画監督で1番変態かもしれませんw

このバットマン3作品以外だと、インセプションインターステラーあたりが好きな人が多いんじゃないでしょうか。僕も好きな2本ですが、この監督は相当頭がおかしくて少々変わっておりまして、ネットやCGが大嫌いなんです。このおかげで、ノーラン監督にはある伝説的な逸話がありまして・・・

それはインターステラーに出てくる地球の映像なんですが、実際にジェット機の先端にIMAXカメラを搭載し成層圏で撮ったんですww

イカれてます。完全に脳が焼き切れてるんだと思います!僕がスタッフだったら卒倒しますよw「ジェット機飛ばして撮影すりゃいけるだろ!」とか言ったんですかね・・・ちなみにインターステラーはキューブリック監督の2001年宇宙の旅からインスパイアされたとノーラン監督はおっしゃっていました。キューブリックもかなりイカれた監督だと思いますが、しっかりと変人の系譜を受け継いでくれて僕は嬉しく思っておりますw

バットマン3部作の前に撮られた初期の作品メメントなんかもかなり面白いので、この監督はオススメです!

「バットマン ビギンズ」の視聴方法

Amazonプライムなら年間プラン4,900円(税込)または月間プラン500円(税込)で映画の他にも松本人志のドキュメンタルアニメprimeオリジナル作品なんかも見放題なのでお得ですよ!

「バットマン ビギンズ」をamazonで観る

最後にもう1度ダークナイト・トリロジー3部作一覧を置いておきます。極力ネタバレ無しで書いていますが、鑑賞後にまた読みに来てくれたら嬉しく思います!

  1. バットマン ビギンズ
  2. ダークナイト
  3. ダークナイト ライジング

では、良き映画の時間をお過ごしください。