デヴィッド・フィンチャー監督による3作目となるミステリー作品です。
前作セブンで世界中の人達を虜にしたフィンチャー監督への期待値は、当時かなり高かったように思います。今作品も相変わらずダークな質感の映像美と、スリラー好きにはたまらないストーリー展開ですよ!
フィンチャー作品に外れ無し・・・ゴーン・ガールやファイト・クラブだけではありません。今作品もかなり面白い映画だと保証します。
[ジャンル]ミステリー、サスペンス[作品時間]128分
[公開日]米:1997/12/12|日:1998/2/7
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作品情報
受賞歴
特に無し・・・。信じられませんw
確かに当時はL.A.コンフィデンシャル、グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち、恋愛小説家、アミスタッド・・・そしてアカデミー賞を11部門も制したタイタニックと今でも語り継がれる名作がわんさかありましたが、これらに引けを取らない面白さです。
特にフィンチャー監督らしい映像美は必見ですし、上質な緊張感と展開で見応えのあるミステリーに仕上がっています。
あらすじ
スタッフ・キャスト
[製作総指揮] ジョナサン・モストウ
[製作] スティーヴ・ゴリン、セアン・チャフィン
[監督] デヴィッド・フィンチャー
[脚本] ジョン・ブランカトー、マイケル・フェリス
[音楽] ハワード・ショア
[ニコラス・ヴァン・オートン] マイケル・ダグラス
(少年期) スコット・ハンター・マクガイア
[コンラッド・ヴァン・オートン] ショーン・ペン
[クリスティーン] デボラ・カーラ・アンガー
[ジム・ファインゴールド] ジェームズ・レブホーン
[サミュエル・サザーランド] ピーター・ドゥナット
[アンドリュー・ローガン・キング] キース・スタンフィールド
[イルサ] キャロル・ベイカー
[エリザベス] アンナ・カタリーナ
[アンソン・ベア] アーミン・ミューラー=スタール
[マリア] エリザベス・デネヒー
[ニコラスの父] チャールズ・マーティネー
[ニコラスの母] フロランティーヌ・モカヌ
[ホテルのマネージャー] ユウジ・オクモト
※ここからは若干ネタバレがあるのでご注意ください。
感想
- 映像と雰囲気だけでも見応え抜群
- 強引な展開と思わせないフィンチャーマジック
- 映画史に残る必見のラスト
主役映えするマイケル・ダグラス
色々と翻弄されながらも奮闘する役が多いマイケル・ダグラス・・・
いや、多いわけではないかもしれないw氷の微笑や危険な情事のイメージが強いのかな・・・フォーリング・ダウンなんかもインパクトがあったけど、長いキャリアの中でマイケル・ダグラスが一番振り回されたのが今作品じゃないかと思う。この映画はそんなマイケル・ダグラスが演じるニコラスに、普通の人間ならストレスで倒れるレベルの災難をフィンチャー監督が次々と投げつけてくる。
父の遺産を引き継いだニコラスは投資銀行の経営者をしていた。彼は独り身で大豪邸に住み、プライベートで話す相手といえば父の代から仕える給仕のイルサくらい・・・ジョークなど言った事ないんじゃないか?と疑うほどの真面目人間で、朝起きて仕事して寝る毎日・・・
ざっくり言えば単調な日々を送る超金持ちのおじさんだ。
本来なら大スターのマイケル・ダグラスが、まあ何ともつまらない男に仕上がっている。例えばブラッド・ピット、ディカプリオ、ジェイク・ギレンホール、ライアン・ゴズリング・・・この辺りがニコラスを演じたら、もっと華のあるキャラクターになっていただろう。
でも、この人じゃないとだめだったんだ。
丁度よい品格と影を兼ね揃えていて、しかも最高の困り顔とギラつき感を出せる俳優・・・マイケル・ダグラス。父である故カーク・ダグラスの血をしっかり受け継いだサラブレッドは、圧倒的な安心感と絵力を持っている。何とも不思議で魅力的な俳優だ。
今作品はショーン・ペンを筆頭に渋くて素晴らしい名優達が脇を固めてるとはいえ、ほとんどはマイケル・ダグラス一本勝負・・・にも関わらず、最後まで全く中だるみしないのはすごすぎる。
やっぱりどうして主役映えする最高の俳優だ。
デヴィッド・フィンチャーの魔法
セブン、ファイト・クラブ、ソーシャル・ネットワークにゴーン・ガール・・・
上に挙げた作品はどれも名作だし、大好きな人も多いと思う。フィンチャー監督が作るダークな雰囲気の映像は、どこを切り取っても芸術的な完成度だし見応えも抜群だ。
このゲームという映画は、正直フィンチャー作品の中で知名度も人気も低いかもしれないけど、抜群の映像美と最高にスリリングな演出と展開は、むしろ一番フィンチャー節が出てるように思う。ハワード・ショアの主張しすぎない音楽の使い方もとっても良くて、最後まで極上の雰囲気が漂っている。
特に感心してしまうのは、目立ったフックがあるわけでもなく静かな立ち上がりで始まるくせに、開始5分あたりで出てくるショーン・ペンとマイケル・ダグラスの会話シーンだけでガッツリと観客の気をひいてくるあたり・・・これはもはや魔法の領域だ。
そもそも今作品のストーリーは正直言って多少強引なところがある。というか、真面目に寸評などしたらツッコミどころが満載だ。もっと言えばリアリティなどとは程遠いとんでも展開と言える。
もし、この脚本で他の人が監督していたら・・・?いやいや、怖すぎるwクソ映画どころじゃすまなかったかもしれないんだから。それをここまで違和感なく楽しい2時間に仕上がってるのは、間違いなくフィンチャーの演出力だと言いたい。
この映画はミステリーだ。ちゃんと謎解きの楽しさもあり、クライマックスでの種明かしでも、まだまだしっかりとハラハラさせてくれる。その上で想像を超える衝撃のラストなんてあまりにも贅沢な作品だ。
衝撃のラストを持つ名作
映画の予告でもよく聞く「衝撃のラスト!」
他にも「どんでん返し」だったり「貴方はこの謎が解けるか?」など、ミステリー作品では使いまわしてると疑うレベルのキャッチコピーだよね。
確かにネタバレになると言っていい。本来なら全く前情報をいれないで観る方が楽しめるのは間違いないしね。ただそれはミステリー作品だけじゃなく全ての映画に言えるし、世の中にはネタバレしてようがなんだろうが問答無用の面白さを持つ名作があるのも事実なのだ。
今作品は間違いなくその中の1本と言いたい。
ここまでハードルをあげたって軽々と想像を超えてくる。たまに謎解き映画を観て「すぐ気づいたから楽しめなかった」という人がいるけど、それは違う。つまらない映画は謎が簡単だからじゃなくて、単純に展開や演出に穴があるだけだ。
嘘だと思うなら今作品の鑑賞をオススメするよ。
僕はこのゲーム以外にも何度となくデヴィッド・フィンチャー監督に騙されてきたんだから。この監督の新作が公開する度に「今度こそ絶対に手のひらで踊らないぞ!」と強い意志を持って映画館に突撃してるのに、いつも帰り道で「またやられた・・」と苦笑い。
でもね、これまで1度たりともフィンチャー監督に駄作を投げつけられた事はない。本当に名作しか作らない。今作品はそんなフィンチャー監督の素晴らしいセンスが詰まりに詰まっている。
だから安心してほしい、この映画は間違いなく衝撃のラストだし、何度観ても最高に楽しい時間を提供してくれるよ。
評価・視聴方法
これぞ無添加のスリラー映画!
ホラー、ミステリー、サスペンスなどスリラーと言われる映画は本当に楽しいですよね。もちろん好みはあると思いますが、体を前のめりにさせるほど夢中になってしまうのは、やっぱりこのジャンルだと思います。
人を驚かすにはどうしたらよいのか?
こんな世にも奇妙な事ばかり考えて生きている映画人の皆様には本当に頭が下がりますが、上品でウィットに富んだ驚かせ方をしてくるデヴィッド・フィンチャー監督の映画はハマると中毒になると思いますw
是非とも人生で1度は観て欲しい名作ですので、手に取ってみてください。超オススメですよ!
「ゲーム」の視聴方法
※日本語字幕のない海外版にご注意ください。現在、日本語字幕つきは価格が高騰しています。(2020/8/1調べ)
現在ネットで視聴する方法はありません。
ブルーレイも海外版のみで、日本語字幕がついているものはございません。
VODサイトで観る事ができるようになる日まで待てない人はDVDの購入、もしくはレンタルをオススメします。
(※2020/8/1調べ)
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