伝説のシリーズ・・・まさかの30年ぶりとなる新作。
1作目は1979年、そこから2、3(サンダードーム)と80年代に制作、監督・脚本は全てジョージ・ミラーが手掛けており・・・今作品を撮った時、既に齢70歳とかなりイカれたお爺様ですwちなみに過去三部作の主演は全てメル・ギブソンでしたが今回はトム・ハーディが主役を張ってます。ただ、別に過去作を観てなくても存分に楽しめるので安心して大丈夫ですよ!
シリーズで一番面白い・・・いや、それどころか昨今のアクション映画の中では群を抜いてると言っていいレベルです。
本記事では感想の他に続編の事や視聴方法も書いてますので、とにかくすぐ観たいという方は一番下までスクロールしちゃってください。
ジャンル:アクション
作品時間:123分
もくじ
作品情報
- 衣装デザイン賞 – ジェニー・ビーヴァン
- 美術賞 – コリン・ギブソン、リサ・トンプソン
- メイクアップ&ヘアスタイリング賞 – レスリー・ヴァンダーウォルト
- 編集賞 – マーガレット・シクセル
- 音響編集賞 – マーク・マンジーニ、デヴィッド・ホワイト
- 録音賞 – クリス・ジェンキンス、グレッグ・ルドロフ、ベン・オズモ
アカデミー賞では上記含め10部門にノミネートされました。ポスター、予告、タイトルなどを見て「よくあるアクション映画かな」と思ったら大間違いです!
あらすじ
核兵器戦争により文明社会が崩壊・・・生存者達は物資と資源を武力で奪い合っていた。砂漠化し荒廃したウェイストランドで元警官マックスは生存本能にだけ突き動かされV8インターセプターに乗り流浪していたが、暴徒らの襲撃に合いイモータン・ジョーの支配する砦に連行される。しかし砦ではジョーが監禁していた5人の妻と共に大隊長フュリオサが故郷への逃亡を図る。巻き込まれたマックスはまたも荒廃した砂漠に戻る事になるが、果たして彼らはフュリオサの故郷「緑の地」に辿り着けるのか?
キャスト、スタッフ
監督・脚本・製作 – ジョージ・ミラー
マックス – トム・ハーディ
フュリオサ – シャーリーズ・セロン
ニュークス – ニコラス・ホルト
イモータン・ジョー – ヒュー・キース・バーン
スプレンディド – ロージー・ハンティントン=ホワイトリー
ケイパブル – ライリー・キーオ
トースト – ゾーイ・クラヴィッツ
ダグ – アビー・リー
フラジール – コートニー・イートン
人食い男爵 – ジョン・ハワード
武器将軍 – リチャード・カーター
リクタス – ネイサン・ジョーンズ
ドーフ・ウォーリアー – iOTA
シャーリーズ・セロンはこの映画で坊主になったので同時期に撮影していた荒野はつらいよ 〜アリゾナより愛をこめて〜ではカツラだったそうですよ。モンスターやタリーと私の秘密の時間では役作りの為に激太りしたり、実はものすごい人ですよね!
※ここからはネタバレがあるのでご注意ください。
感想
- ほとんどドンパチしてる
- 何気にストーリーが秀逸
- 頭空っぽにして観る映画ではNo.1!
序盤から面白い映像しかないイカれた映画
感想?そうっすね・・・バカ面白い。
もうこの一言だけでいいんじゃないかと思えてくるくらい面白い。冒頭から荒廃した世界・・・そして混沌としたヒャッハー系の方々が続々と出てきて、あとはずーーーっとドンパチやってるだけの映画なんだけど、これがしんどくなるくらい面白いw
すごい雑に紹介したけど、ドンパチアクションシーンは普通ではなく、どれもこれも超秀逸で全てクライマックスにもってきても申し分ない位ハラハラするしアイデアも最高なんだ。特に20分あたりからのカーアクションはヤバい!ヤマアラシと呼ばれるトゲトゲに包まれた車に追い掛け回されたり、そのヤマアラシが吹っ飛んだり・・・人はひかれるわ車は爆発するわ、もうめちゃくちゃだ。
主人公たちは大きなタンカートレーラーで爆走しながら逃げ続けるんだけど、カーアクションって言われてどんなシーンを思い浮かべる?例えば競り合って片方の車が壁に激突とか、後ろから銃撃されて相棒に運転任せつつ撃ち返したり?そんなもんオママゴトに思えるレベル・・・今作品では先端に爆薬がついた銛(モリ)みたいの投げつけたり、棒高跳びみたいな長い棒に捕まって変な奴が飛び移ってきたり、バイクでジャンプして空中から爆撃されたりwとにかく全アクションシーンが発想も映像もずば抜けていてハラハラするだけじゃなくゲラゲラ笑える。
同監督の1作目マッドマックスでは撮影中にスタントで死人が出たとまで言われているが、この映画こそ死人でなかった?と心配になるくらい激しい。イカれた人達が沢山でてきてイカれた映像が流れ続ける今作品・・・。
70歳でこれを撮ったジョージ・ミラー監督は何を考えて生きているのか。
実はよくできてる人間描写とストーリー
映画とは往々にして余白がある程、面白かったりする。
余白とは作中で説明されない部分、このキャラクターはこの先どうなっていくのかな?というような観客が想像して楽しめるところ。近年は少しよくなってきたけど、一時期は説明しすぎる作品が多くて本当に悲しくなった。
今作品ではほぼ全てと言っていい位、登場人物の背景が描かれない。荒廃した世界で生き抜く人達という前提知識だけ・・・なのに、主要キャラクターにはちゃんと感情移入ができてしまう、何気にすごい事だ。これは役者たちの演技もあるけど、何よりも作品のコンセプトと映像だけでわからせてくる説得力、そしてシーンの配置だと僕は思う。例えば後半のフュリオサが砂漠で膝つき叫ぶシーンなんかは、あれだけでフュリオサが故郷をどれ程愛していたかすぐにわかる。
途中に出てくるバイクにのって生活している野盗みたいな人達や、汚染された土地で竹馬みたいのを使って歩く人達など「なんでそこまでしてその場所に住もうとするんだよw」とつっこみたくなる事もあるんだけど、この辺りはストーリーの軸ではなく、あくまでも世界観の紹介に使われているので特に問題ない。というか、むしろ前述したように説明が少ないからこそ楽しめるブラックボックスにちゃんとなっている。
で、軸となる登場人物の心理描写はしっかり押さえてくるので肝心のストーリーが全然ぶれない上に、どんちゃん騒ぎのアクションシーンにも余計気持ちが入るんだ。
予告を観ただけじゃ信じられないかもしれないけど本当に適度な説明で、こんなバランス感覚の良い監督って結構いなくないか?と思うレベルだよ。
てか本当に70歳が撮ったのかよ・・・
フュリオサを演じたシャーリーズ・セロンがやばい
ヒロイン・シャーリーズ・セロンさん。今作品で完全に主役をくってる。
この人、綺麗な方だけど結構な骨太女優で作品によって激太りしてきたり、今作品でも坊主にしたりとガチガチに役作りしてくる。加えて表情も独特で、すっごいむかつく顔つきだったり、逆にすっごい優しそうだったりと別人のようになるんだけど、なんだろう・・・特に目が印象的でありゃ演技というより天性かも。サイダーハウス・ルールの時と比べると同一人物とは到底思えないよ。
ちなみに今作品では、尋常じゃないほどカッコイイ。
でもカッコイイだけじゃなく優しさもかなり感じられるんだ。これはフュリオサというキャラクターの設定自体がそうだからだけど、この強さと優しさの同居したキャラを演じられる役者って結構限定されちゃうよね。極端に言えばアーノルド・シュワルツェネッガーだと強さが前にですぎるし、ジャッキー・チェンなら強さとは別にコメディ感をどうしても感じちゃわない?これはもう演技力っていうより印象の問題なんだけども。何にしても誰もができる役ではない。
ちなみに今回のフュリオサはエイリアンのリプリー、ターミネーター2のサラ・コナーに匹敵する映画史上屈指の女性キャラだと思うよ。
最後はこのフュリオサとマックスを良い感じにする描写でもするのかな~と思って観ていたが、ジョージ・ミラー監督をなめてた。このお爺ちゃんはそんな小手先を使わず、マッドマックスの世界観を最後まで守りエンドロールにもっていった。
フュリオサのかっこいい姿で終わるラストシーンは、ヒャッハー系男子とドンチャン騒ぎしていた映画とは思えないし、シャーリーズ・セロンには全く見えない(良い意味で)
てか、本記事を書く上で改めて色々調べたけど・・・シャーリーズ・セロン身長177cmもあるのかよ!そりゃアクションシーンもかっこいいわけだ。
評価、視聴方法
しっかり作られた作品なのに気軽に観れる
これ超えるアクション映画が今後でてくるのか心配になるほど面白い作品です。
シャーリーズ・セロンが主役を喰いまくってるのであまり書きませんでしたが、主役のトム・ハーディもイモータン・ジョーのヒュー・キース・バーンも素晴らしかったですよ。ちなみにヒュー・キース・バーンも70のお爺ちゃんwどんだけ元気なんすか・・・。
キーファー・サザーランドの24以降、予算が増えたのかドラマの業界も映画並みのアクションシーンを見かけるようになりましたが、今作品は規模とかCG云々とかではなく、まさに映画でしかできない素晴らしい発想によるアクションシーンが盛り沢山で一見の価値あります。正直、細かい事は抜きにして気軽に観てもらいたいですね。寝っ転がりながら雑に観たってそこらのアクション映画の10倍くらい面白いですよ!
ちなみに続編ですが、一応話は出ていてジョージ・ミラー監督もインタビューで2本分の脚本が既に完成していると話していました。加えて主役のトム・ハーディも続編の契約にサインしているとの事でした。ただジョージ・ミラーが今作品の利益未払いがあるとして製作・配給の米ワーナー・ブラザースを提訴したのでどうなる事やら・・・。映画ファンとしてはもちろん観たいですが、監督変えてとりあえず儲かるから続編というのは正直やめてほしいです・・・。ちなみにシャーリーズ・セロンが演じたフュリオサもスピンオフの話があがりましたが、検討中でとどまってるみたいですね。
こんな最高の映画を撮ってくれたジョージ・ミラー監督には長生きしてもらってワーナーとも和解し・・・是が非でも続編を作ってもらいたいと心より願っています!
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僕はメル・ギブソンのマッドマックス三部作(特に2)も大好きですが、はっきり言って今作品は、それ以上に面白いと断言しますよ。映画を日ごろ観ない人にも超オススメします。
では、良き映画の時間をお過ごしください。