映画「新感染」あらすじ、感想【続編決定!マ・ドンソクとは何者?】

新感染 ファイナル・エクスプレス

日本では2017年公開。正式タイトルは「新感染 ファイナル・エクスプレス」原題は「釜山行き」という意味の韓国映画です。

走る高速鉄道の中で、どんどんと人がゾンビ化していく恐怖と、それに巻き込まれた人々の人間模様を描いています。

監督のヨン・サンホは元々アニメ作品をいくつか出していましたが、今作品で初の実写映画となりました。ちなみに前日譚として同監督による「ソウル・ステーション パンデミック」というアニメ映画があります。韓国映画というと乾いた映像で描くサスペンス人生譚みたいな作品が多いイメージですが、今作品はかなりポップでテンポも早く、観やすい映画となってますよ。

とうとうMCU参戦となったマ・ドンソクも出演していて、面白い上にメチャクチャかっこいいので超必見です!

本記事ではあらすじ、キャスト・スタッフ情報の他に、個人的な感想、視聴方法も記載しています。

ジャンル:ホラーアクション
作品時間:117分

作品情報

青龍映画賞、韓国映画評論家協会賞、釜日映画賞、韓国映画祭作家協会賞、大韓民国国会大賞など韓国国内では勿論、シッチェス映画祭ではヨン・サンホが監督賞を受賞しています。ちなみにスティーブン・キングは今作品を「ウォーキング・デッドがかわいく見える」と絶賛していましたね。

あらすじ

ファンドマネージャーで仕事人間のソグは妻と別居し、母と娘の3人で暮らしていた。娘のスアンが誕生日に何を欲しがっているかもわからないソグは「釜山に行ってお母さんに会いたい」と言うスアンの為に、父娘の2人でソウル発釜山行きのKTX101列車に乗り込んだ。しかしその列車の発車寸前に1人の異様な女が乗り込む、そしてスアンは走り出す列車の窓からホームで何者かに襲われる駅員の姿を目にする・・・

キャスト、スタッフ

監督 – ヨン・サンホ
脚本 – パク・ジュスク
音楽 – チャン・ヨンギュ
特殊メイク – クァク・テヨン

ソ・ソグ – コン・ユ
キム・スアン – キム・スアン
ソンギョン – チョン・ユミ

ユン・サンファ – マ・ドンソク

ミン・ヨングク – チェ・ウシク
キム・ジニ – アン・ソヒc
ヨンソク – キム・ウィソン
ジョンギル – パク・ミョンシン
インギル – イェ・スジョン
感染者の女 – シム・ウンギョン

コン・ユも良かったですが、マ・ドンソクがずば抜けて輝いてましたね!そのせいで霞んでますが、子役のキム・スアンもかなり素晴らしい演技でしたよ

※ここからは若干ネタバレがあるのでご注意ください。

 

 

感想

  • テンポの作り方がすごく上手
  • マ・ドンソクの存在感はチートレベル
  • ゾンビ映画なのに泣けちゃう不思議

小さな違和感で演出される嵐の前の静けさ

冒頭から20分間・・・ゾンビ映画とは思えない静けさから今作品は始まる。

主人公のソグ(コン・ユ)と娘のスアン(キム・スアン)・・・2人の日常がただ淡々と描かれ、このまま父娘のヒューマンドラマが始まってもおかしくない位、静かなトーンだ。しかし、その中でチラホラと非日常的な映像や要素が放り込まれてくる。例えば車にひかれて死んだはずの鹿が動いたり、明け方にビルの上層階が燃えていたり、夜中に工業団地でデモがあったり・・・これら全ての非日常がちょっとした違和感を作っていて、山場の無い20分のはずが、やけにハラハラする緊張感を帯びているんだ。

この嵐の前の静けさがすごくよく出来ていて、これから一体何が始まるんだろうという不謹慎な好奇心を掻き立たせてくる。

そして走り出した列車の車窓から外を見ていたスアンは、ホームで何者かに襲われる駅員を目撃する。子役とは思えない素晴らしい演技をしたキム・スアンの不安そうな表情から今作品はギアがどんどんあがっていき、気が付けばまさに暴走列車・・・ノンストップでゾンビ!ゾンビ!ゾンビ!だ。

勿論中盤には、ホラー映画のお約束である死亡フラグが立つような会話でギアを落として綺麗に緩急もつけているし、その計算されつくされた構成は全然ジャンルが違うけどアニメ映画の君の名は。のような・・・とにかく映画全体のテンポバランスが秀逸だと感じた。

これが実写映画初めてとか信じられない・・・

ヨン・サンホはどれだけ事前に映画を研究したのか、それともシンプルにセンスがいいのか・・・どちらにしても素晴らしい映画監督だと思う。

マ・ドンソクの存在感は異常

最近メキメキと頭角を現してきた俳優・・・マ・ドンソク

実はアメリカ国籍で、フィットネストレーナーやボディビルダーをやっていた人だ。その体格は服の上からもわかる筋肉の塊・・・見た目通り作品内でもめちゃくちゃ強い。中盤、ソグとチェ・ウシク演じるヨングクと共にゾンビの群れの中を突破しなければいけないシーンがあるんだけど、バットを手にとり武装するヨングクやソグの横で、我らがマ・ドンソクは上着を脱いだ。

そして殴り散らかされるゾンビたちww

あのシーンはシリアスな音楽を流していたけど、もっとふざけても良かったんじゃないかな?とも思う。が、今作品はどんどんと人間がゾンビ化していくシリアスな状況、ソグとスアンの父娘愛など、実は結構重いストーリーで、それをマ・ドンソクのこうしたコミカルなキャラクターと演技が中和していて、そのバランスは実に秀逸だった。

ヨン・サンホ監督のセンスもあるけど、やはり今作品はマ・ドンソクのおかげで面白かったと言ってもいい位だ。

何よりもマ・ドンソクのすごいところは、筋肉ムキムキコミカルなキャラクターとかいう要素が渋滞してるような役なのに・・・演技が超自然体という点だ。これは他の映画作品でもそうだけど、マ・ドンソクは演技やセリフ感が全然なくて、その辺にいそうなオジサン感があるんだ。

この演技力はソン・ガンホを彷彿とさせる。いや、超えるか?いつか共演してもらいたいものだねw

ゾンビを使った素敵なヒューマンドラマ

今作品はゾンビが出てくるアクション満載のパニックホラー映画だが、描いているものは家族愛だ。

ポン・ジュノ監督のグエムルでは怪物と戦う中で家族愛を描いてたり、韓国映画は救いのない非現実の中で現実的な人間関係をストーリーの軸にする事が多いよね。

この映画でも登場人物それぞれに背景が乗っかっているんだけど、やっぱり主人公のソグとスアンの父娘愛の描写は素晴らしかった。物語の大半がゾンビとワーキャーやってるから、ジャンルとしてはホラーアクションで間違いないんだけど、ストーリーの本筋は間違いなく家族愛で綺麗な起承転結を作っていた。だからこそクライマックスのコン・ユにはグッとくるものがあって、観終わった後にゾンビ映画には似つかわしくない「いい映画だったなあ」なんて意味不明な感想になるw

でも観た人達に、どのシーンが一番好き?と聞いたら・・・マ・ドンソクが娘の名前を叫ぶシーンと答える人が多いかもしれないw

若干教科書通りすぎるかなとも思うけど、ゾンビのパニックホラーとして素晴らしかったし、テンポは完璧、そして泣けちゃう家族愛のストーリーとかかなり詰め込んでるのに、よくまとまっていて十分に面白いエンターテイメント作品だった。

次作が楽しみな監督がまた1人増えたよ!ありがとう、ヨン・サンホ監督。

評価、視聴方法

続編の制作は?

一応2018年夏の段階で、2019年の上半期には撮影開始を目標にしていると言われていました。

それから続報はまだ無いですが、ヨン・サンホ監督はかなり力を入れているという事でしたので、期待していいんじゃないかなと思います。ちなみに監督はインタビューで次のようにおっしゃってました。

「ウイルス感染後の半島が舞台だという点と、ゾンビ映画にインスパイアされたサバイバルアクション物だという点では続編と呼べるかもしれないが、キャラクターもまったく異なるし、さしずめ『同一の世界観を持った前作の延長線上の物語』とでも言ったところかな」

半島がゾンビだらけになった状態で生き抜く人達を描くのでしょうか。公開はまだ先になりそうですが、今から楽しみですね!

あと全く関係ないですが、我らがマ・ドンソクはなんとMCU参戦が決定しましたwエターナルズという作品に出演が決まってるらしいんですが、まだ役柄は不明だそうです。もはや特殊能力なんかなくとも、ぶん殴るだけでアイアンマンとも戦えるんじゃないかと思わせますよねw

何にしてもヨン・サンホ監督とマ・ドンソク・・・今後も要注目です!

「新感染 ファイナル・エクスプレス」の視聴方法

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では、良き映画の時間をお過ごしください。