映画「キングダム」あらすじ、感想【評判が良い理由は?続編は作る?】

キングダム

原泰久先生による歴史スペクタクル漫画・キングダムをとうとう実写映画化!

原作の漫画は秦の始皇帝が天下統一する前の古代中国・春秋戦国時代を描いた素晴らしい作品です。

ちなみに僕は当ブログでも書いてますが映画と歴史が大好きなんですね。そして歴史を好きになったのは、このキングダムという漫画からでした。この漫画のおかげで中国史にハマり、日本史、ヨーロッパ史、中東史、ロシア史・・・と世界中の歴史を好きになったので原泰久先生リスペクトでございます。

そんなキングダムが実写映画化なんてそれはそれは嬉しく、早速映画館にて鑑賞しましたのでレビューしていこうと思います。本記事ではキャスト情報やどこまで描いたのか等のあらすじ、そして僕の率直な感想を書いていこうと思います。

※原作が好きだからと言って絶賛しているわけではなく、映画好きとして正直に書いているのでご容赦ください。

作品情報

2019年4月19日に公開となってから本日までの間で興行収入35億円を突破との事です。※5/7現在

ちなみに同時期公開の競合は・・・

  • 名探偵コナン 紺青の拳
  • アベンジャーズ/エンドゲーム
  • 名探偵ピカチュウ
  • 映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン ~失われたひろし~
  • 映画ドラえもん のび太の月面探査記

というわけでGW全開ですが、かなり奮闘してると言えるんじゃないでしょうか!

あらすじ

紀元前245年、世は春秋戦国時代・・・西方の国「秦」で戦災孤児の少年・信と漂はいつか天下の大将軍になる事を夢見て日々剣術の鍛錬を積んでいた。ある日、漂は王都の大臣・昌文君によって召し上げられ王宮へ。

しかし王宮では王の弟・成蟜(せいきょう)によるクーデターが勃発、漂は致命傷を負いながらも何とか信の所まで辿り着くが「お前に頼みたいことがある」と、ある場所を示す地図を信に渡し力尽きる。漂の持っていた剣を手に地図の場所まで向かうとそこには漂にそっくりな若き秦の王・嬴政(えいせい)がいた。二人は王都奪還の為、そしてその先の為に走り出したが果たして・・・?

KINGDOM

キャスト、スタッフ

監督 – 佐藤信介
原作 – 原泰久

信 – 山崎賢人
嬴政/漂 – 吉沢亮
河了貂 – 橋本環奈
昌文君 – 高嶋政宏
壁 – 阿部進之介
里典 – 六平直政

楊端和 – 長澤まさみ
バジオウ – 阿部進之介
タジフ – 一ノ瀬ワタル

成蟜 – 本郷奏多
左慈 – 坂口拓
ランカイ – 阿見201
朱凶 – 深水元基
ムタ – 橋本じゅん
魏興 – 宇梶剛士
肆氏 – 加藤雅也
竭氏 – 石橋蓮司

騰 – 要潤
王騎 – 大沢たかお

ものすごいキャスト陣ですね!ちなみに佐藤信介監督はGANTZアイアムアヒーローいぬやしき等、漫画の実写化作品をよく手がけています。

 

ここからはネタバレ有りの感想になるのでご注意くださいな。

 

 

 

 

感想(ネタバレ有り)

  • 原作ファンを大切に考えた作品
  • 観たかったのはコレじゃない
  • 続編はガンガン作るべき!

原作である漫画との違い

まずは実写映画化、おめでとうございます!ありがとうございます!

僕は待ち望んでいた。漫画がヤングジャンプで連載スタートした時から「これは映画化するべき!」と長く待ち望んでいた。作者の原泰久先生は脚本にも参加したようで、実写映画化までこぎつけた制作陣含め、関係者各位の熱意や尽力が感じられるし、それがまた嬉しい。

原作の5巻まで、つまり弟の成蟜によるクーデター編までを描いた今作だけど、漫画との違いはかなり少ない。ランカイと左慈の配置が若干入れ替わった・・・くらい?あとはもう原作のままと言っても過言ではない。ストーリー構成もそうだけどキャラクターの容姿や描写、セットの建物や小道具、衣装の雰囲気までかなり原作によせてきた本作。

その為、レビューサイトやSNSを見渡すと「面白かった!」「山崎賢人は信そのものだった!」「バジオウはもっと強いイメージだけど、全体的に良かった!」と、かなり高評価が続いていた。

でも原泰久先生には申し訳ないけど、僕は面白いとは思わなかった・・・つまらなくはないけども。

まず漫画原作の実写映画には毎回出てくる話なんだけど、原作通りにするべきか否かという問題。よくネットでは原作通りに作らないと怒る人達を原作厨と呼んでるけど、果たしてどちらが正解なんだろうか?

僕はどちらでもいい、ただし面白ければ。である。

今作はそもそも原作である漫画がかなり面白い作品なのは間違いない、僕も大好きだ。かなり魅力的なキャラクターもたくさんでてくるし、実写映画化するにはもってこいの題材だと思う。なのに面白いと思わなかった理由はいくつかある。

  • リアリティとファンタジーの境界線が歪なものになっている
  • 中盤の戦闘とクライマックスの戦闘のバランスが悪い
  • 主題歌の挿入タイミング

この3つの要素が僕としては気になったよ。というわけで、この3つを解説していく。

観たかったのはキングダムじゃなく、キングダムの映画だ!

1.リアリティとファンタジーの境界線

そもそもキングダムとは古代中国の春秋戦国時代にあった史実であり、登場人物の多くは本当に実在した人物だし、実際に起きた出来事が交えられている。

もちろん作品にもよるけど、漫画とは本来リアリティよりもキャラの見た目や世界観などが優先されるべきだと思うが、逆に実写映画とは画面に出てくるのがリアルな人間なわけで、どうしてもリアリティは求められる・・・というか大前提で、これはファンタジー作品でも同じであり、だからこそディティールや理由付けが大切になってくる。

例えばスターウォーズのダースベイダーは何故ダースベイダーになったのか?旧三部作では謎だったが、見た目と強さが衝撃的で人気キャラクターとなった。そして新三部作でこのダースベイダーの背景が描かれたが、丁寧なディティールと映像だったからこそファンタジーの中にリアリティが生まれ、観客はスターウォーズという作品自体をより好きになり思い入れが強くなったんだ。

で、今作はというと・・・王騎の3つに分かれたヒゲや朱凶の人間離れした顔、ランカイの巨躯などをそのまま映像化しているよね。これは王騎は毎朝あのヒゲを自分でセットしてるのか?という疑問や、何故ランカイはあんなに大きな体なのか?という背景が一切ないので、古代中国という史実を基にしているキングダムでは、どうしてもここにリアリティが出ない。しかも「原作がそうだから」という理由しかない。これは致命的に作品を陳腐にしていると感じた。

2.中盤の戦闘とクライマックスの戦闘

主人公である信の戦闘シーンは主に①vs朱凶②vsムタ③vsランカイ④vs左慈という4戦。ちなみに原作ではランカイと左慈は逆で本来はランカイ戦がクライマックスだが、プロデューサーの松橋真三氏が原泰久先生に進言し今回のように逆になったという。正直ランカイと左慈が逆なのはどうでもよくて、それよりも朱凶やムタとの戦闘と比較して最後の左慈戦がいまいちという方が大問題である。何故いまいちになったかなんて明白で、そもそも左慈の存在感が薄すぎて観てるこっちは思い入れがないからだ。別にダースベイダーのように背景が謎だろうと存在感は出せるし、左慈も一応すごい剣術や雰囲気は描いていたが、あまりにもラスボスとして弱すぎた。

3.主題歌の挿入タイミング

主題歌はONE OK ROCKの「Wasted Nights」という、この映画の為に書き下ろしたものだ。この曲がかかるタイミングは左慈を倒し、王騎の見せ場が終わり本当にラスト・・・信と政が未来について語り合うシーンなんだけど、いきなり出だしで「Must be something in the water~」と英語で歌い出すので一気に現実に戻される。いや、ワンオクが悪いんじゃないんだよ。いい曲だと思う。そもそも中国の話なのに日本語じゃねーか!と言われたら返す言葉はないんだけど、正直英語は世界観がかなりぶっこわれたと思ったよ。

どうだろう?これはただ逆張りしてるんじゃない、僕は原作に対してリスペクトと愛情を持っているからこそ言っている。なんだったら続編どころか何部作になろうと徹底的にキングダムの全てを実写化してほしいくらいだ。でもだからこそ続編を作る気ならキングダムを作るのではなく、キングダムの映画を作っていただきたい

佐藤監督や原先生も含め制作に携わった皆様、そして原作に忠実だった今作を面白かったと評している皆様・・・あなたたちは本当にこの映画を観ていて入り込めた?本当に面白い映画だと感じた?

はっきり言って映画としては面白いとは到底言えないよ。

原作通りに作る事の大切さ

原先生のインタビュー記事を読んだ。

先生は「映画化の話をいただいたとき、まず原作ファンへ「映画館に行って良かった」と思わせるものにしたいという使命感がありました。」とおっしゃっていた。これは本当に嬉しい言葉だし素晴らしい気持ちだと思うけど、だからと言って原作通りに作る=面白い映画になるという勘違いは捨ててほしい。

「皆キャラ通りで本当面白かった!」

「原作通りで安心した!面白かった!」

原作ファンはコレでいいのかもしれないけど、漫画原作が面白いんだからそのまま作れば面白いんだ!なんて間違っているよ。というか、他の映画好きはどうかわからないけど、少なくとも僕からすればそんなの映画という文化をバカにしているのと同義に感じるよ。

「ミノ着せただけの橋本環奈だった、そこだけクソ。長澤まさみはよかった!」

こんな感想も目にしたけど、ちゃんと河了貂だったよ。橋本環奈は演技も良かったと思う。というか原作の河了貂だってミノ着てるだけじゃないかw

評価

辛辣なレビューとなりましたが、如何でしたでしょうか?

僕は別に原作ファンが嫌いというわけじゃないんです。上述したように面白ければ原作通りだろうがなかろうがどちらでもいいんです。今回、原作ファンや映画制作陣全員に読んでほしいという願いで書きました。特に原先生にはお手紙でも送りたい気分です。

確かに興行収入がついてこないと続編も作れないし、数字をあげる為にするべき事=原作ファンを裏切らないように原作通りに作るべきという考えが今回の作品に繋がったと思いますが・・・どうか「原作通りじゃないからつまらない!」とかいう意味不明な声なんかを忖度しないで、制作陣が「面白いだろ!」とドヤ顔で出せる映画でお願いしたいです。

当たり障りない作品だった。

というのが僕の率直な感想ですが、制作陣も正直なところ「当たり障りなく作りました!」じゃないですか?つまらなくはないですが、少なくとも名作とは言えません。キングダムは世界で勝負できる題材だと信じてますんで、どうか続編を作るなら”キングダム“を作るのではなく、”映画“を作ってください!続編、期待しております!

最後に・・・一応キングダムの世界観を忠実に表現したという点では素晴らしい美術だったと思うけど、目指すべきは古代中国の世界観だったのでは?敦煌のような雰囲気のキングダムだったら・・・と悔しく思っております。

※歴史がお好きな方は当ブログにて日本史記事なんていうのもたまに更新してるので良かったら読んでみてください^q^

では、良き映画の時間をお過ごしください。