M・ナイト・シャマランを一流監督に押し上げた傑作ミステリー。
子役のハーレイ・ジョエル・オスメントも今作品で天才と言われ、瞬く間にスターダムを駆け上がっていきました。
ホラーで怖いと思って敬遠してる人もチラホラいるようですが、本質は感動ヒューマンドラマですから是非怖がらず観て欲しい映画ですね。シャマラン節は1度ハマると全作品観たくなるような魅力があるので、お気をつけください。
本記事ではシックス・センスのあらすじや感想の他に、ハーレイ・ジョエル・オスメントの現在や視聴方法なども最後に書いています。
作品情報
1999年公開、日本アカデミー賞でも最優秀外国作品賞に輝いています。
- 作品賞
- 監督賞、脚本賞 – M・ナイト・シャマラン
- 編集賞 – アンドリュー・モンドシェイン
- 助演男優賞 – ハーレイ・ジョエル・オスメント
- 助演女優賞 – トニ・コレット
本場のアカデミー賞でもしっかり評価されてますね!最優秀はとれませんでしたが、個人的にはトニ・コレットが特にやばかったです・・・彼女の演技には誰もがもらい泣きしちゃいますよ。
あらすじ
マルコム・クロウは第一線で活躍する小児精神科医。ある日、彼は10年前にカウンセリングを施した患者ビンセント・グレイという青年に銃で撃たれ、ビンセントはその場で自殺してしまう。それから1年後、マルコムは複雑な症状を抱えた少年コール・シアーの治療に取り掛かる事に。10年前救う事ができなかったビンセントとコールを重ね、自責の念に駆られながらも少しずつコールとの距離を縮め、マルコム自身の心も癒されていくが、その先には誰も予想のつかない真実が待ち受けていた。
キャスト、スタッフ
監督 – M・ナイト・シャマラン
脚本 – M・ナイト・シャマラン
マルコム・クロウ – ブルース・ウィリス
コール・シアー – ハーレイ・ジョエル・オスメント
アンナ・クロウ – オリヴィア・ウィリアムズ
リン・シアー – トニ・コレット
ヴィンセント・グレイ – ドニー・ウォルバーグ
ヒル医師 – M・ナイト・シャマラン
トニ・コレットやハーレイ・ジョエル・オスメントが素晴らしい演技なので目立ちませんが、主役のブルース・ウィルスも非常に良いです。さすが世界一かっこいいハゲですねw
※ここからはネタバレもあるのでご注意ください。
感想
- シャマランらしい奇跡の物語
- しっかりと怖いホラーシーン
- 車中シーンは崩れる程泣ける
ホラー映画をプロットした感動作
「まだ観てない人に内容を言わないでね。」
この頃はこういうプロモーションが流行ってた・・・とまでは言わないけど、今作品もまさにこれだった。バリバリに怖そうな予告CMを見て内心震えていたのに、いざ映画館で観終わったらボロボロ泣かされたのを覚えているよ。
かなり前の作品なので、あまりネタバレを気にせず書いちゃうから観てない人はごめんね。ただ今回久しぶりに鑑賞してみて思ったのは、謎を理解してから観たほうが余計面白いんじゃないかという事。それともう1つ、これ大人になってから観ると余計涙腺にくる・・・。
監督のM・ナイト・シャマランは今作品で第一線に躍り出た。でも今作品が面白すぎたせいか、その後の作品への評価がまあ手厳しい。たまに本当よくわからない映画を世に出すけど決してつまらないわけじゃなく、むしろ他に類を見ない独特な感性を持っている映画監督だと思う。基本的には小さな奇跡みたいなものを描くイメージがあるけど、今作品も幽霊ホラー云々ではなく実は1人の子供が持つ奇跡的な能力を描いたと言える。
その子供コール・シアーを演じたハーレイ・ジョエル・オスメント・・・今では似ても似つかないおじさんになったが、演技力はやっぱすごいね。すごすぎるね。目線や泣き芸などどれをとっても一流だ。一応今作品のつかみはマルコム演じるブルース・ウィルスがいきなり銃で撃たれるというシーンを用意してるが、本当に観客の心を掴んだのはオスメント君がでてきたところだと言いたい。何かに怯えながら速足で出かけるシーン・・・これだけでしっかりと不穏な雰囲気が演出されていた。
物語自体はそこからただただ淡々とコール君の日常を描き、そこにマルコムが少しずつ入り込み距離を縮めていくだけなのに、オスメント君の速足お出かけシーンのおかげでずーっと安心できない雰囲気が継続する。そんなハラハラドキドキ状態の中で癒しとなっているのがトニ・コレット演じるコールのお母さん、決して裕福じゃないけど何とか息子コールと二人三脚で頑張っていきたい感じがにじみ出ていて、それは一瞬ホラー映画という事を忘れてしまうほど。
ただ・・・この母子愛こそが、M・ナイト・シャマランの一番重要な仕掛けになっているんだよね。
シャマランの怖がらせ方
この監督さんはどの作品も怖がらせ方が同じ。必殺技はホラー的な音と共に突然何か出てくるみたいな・・・超王道だ。
でもこの王道が何度やられてもびっくりする。今作品でも途中からメインはホラーじゃなくてヒューマンドラマなんだなと理解し始めても、結局幽霊が出てくるシーンは声だして驚いてしまった。それだけ雰囲気を作るのが上手なわけだけど、特にホラーの古典的手法である見えない恐怖・・・これがシャマラン作品では毎回異常にフィットする。
- シックス・センス
- アンブレイカブル
- サイン
- ヴィレッジ
- レディ・イン・ザ・ウォーター
- ハプニング
- エアベンダー
- デビル
- アフター・アース
- ヴィジット
- スプリット
- ミスター・ガラス
シックス・センス以降の作品を並べてみたけど、どれを観た事あるかな?映画好きはシャマランってだけで毎回観てしまうんだ。その理由は前述した王道の怖がらせ方をどこか求めてしまっているから。ほぼ全ての作品に共通するホラーじみたダークな雰囲気、ミステリー的要素の匂わせ。これこそがシャマラン監督の真骨頂であり、ざっくり言えば雰囲気だけで面白いと思わせてくる。
ただホラー!ミステリー!みたいなゴリゴリできてるのに、作中でたまにバカみたいな笑わせ方をしてくる時がある。特にサインのオチは個人的にすごく好きで、長い時間怖がらせておいて最後それかい!とつっこみたくなるんだよwでもその後にタイトル見て「あ、そうか」と納得しちゃったりする。
シャマラン監督はこうした少しウィットにとんだジョークも飛ばしてくるが、やっぱり世間ではホラー映画でどんでん返しをしてくる監督ってイメージが強く、そのどんでん返しが今作品のようにカチっとハマると大絶賛なんだけど、ハマってないと世間で不評だったりする・・・。でもそもそも実際に描いているのはホラーやミステリーの皮を被った上質なヒューマンドラマが多いので誤解してほしくないな~といつも思うよ。
今作品シックス・センスはシャマラン映画で一番ライトだからオススメだよ。
至極の車中シーン
ラストシーンじゃないが、今作品で一番の見せ場。
車中でとうとうコールが母親に幽霊が見える事を告白し、死んだお祖母ちゃんからのメッセージを伝える。この時のトニ・コレットが素晴らしくて、まるで凍っていた心が溶けていくかのように泣き崩れる。もちろんこの映画が創作ストーリーだとわかっているが、それでも「よかったねえ・・・」と呟きながらボロボロもらい泣きしてしまう。
はっきり言ってここで終わったって文句ないくらいの至極の名シーンだが、この後にちゃんとマルコム側のラストシーンでエンドロールとなる。
よく松本人志とかがお笑いとは緩急だというけど、恐怖や驚き、感動など全てが該当すると僕は思う。そして映画にはまさに緩急の手法がふんだんに使われている。シャマラン監督の作品は基本的にゆったりと時間が進む中で一瞬だけギアをあげたりするんだけど、この車中シーンも感動を描いている中で、一瞬・・・本当に一瞬だけ怖がらせてくる。でも恐怖より感動が勝ったのは間違いなくトニ・コレットとハーレイ・ジョエル・オスメントの演技力と音、そして脚本が素晴らしかったからと言えるだろう。
終わってみればなんと綺麗な脚本と構成、素晴らしい役者の演技に演出・・・間違いなく観て損しない名作だ。
評価、視聴方法
ハーレイ・ジョエル・オスメントの現在
このシックス・センス以降、立て続けに主演映画が出て、スピルバーグのA.I.では日本の興行成績がすこぶるよかったですね。(本国アメリカでは失敗したんだけども)
キュートな表情に演技も抜群・・・こりゃとうとう子役から大成する天才が現れたか??と期待がすごかったんですが・・・2006年7月に飲酒運転と違法運転で逮捕、8月にはマリファナ所持と一気に失墜しました。
ですが、その後大学で舞台演技理論を学び、最近は俳優業に復帰しています!
確かに子役時代のような愛らしさはなくなりましたが、味のある顔つきと演技力は健在ですから今後が非常に楽しみですね。大学時代には脚本を自分で書いたりもしたそうです。
実はフォレスト・ガンプでガンプの息子役がデビュー作って知ってました?
「シックス・センス」の視聴方法
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ハーレイ・ジョエル・オスメントはドラマのシリコンバレー(シーズン4)にも出演していて、非常に面白いのでこちらもオススメですよ。