映画「ビッグ・リボウスキ」あらすじ、感想【コーエン流落語コメディ】

ビッグ・リボウスキ

映画が大好きな2人・コーエン兄弟による7作目となる長編映画。

公開時はそこまで人気がなかったのですが、今では一部のファンからカルト的な人気を誇るコメディとなります。

この映画は決して難しくはないのですが「結局は何を言いたいのかよくわからなかった」という感想をチラホラ見かけますね!本記事ではその辺りも含めて個人的な感想を書いていこうと思います。

[ジャンル]コメディヒューマンドラマ
[作品時間]117分
[公開日]米:1998/3/6|日:1998/9/24

この記事はこんな人にオススメ
  1. キャスト情報が知りたい!
  2. どんな映画なのか知りたい!
  3. 視聴方法を知りたい!
コーエン兄弟の映画はクセがあるけど面白いですよね!

エイガスキー

作品情報

映画批評サイト『ロッテントマト』の評価 (批評家:82%/一般:94%)

ビッグ・リボウスキ評価引用元:https://www.rottentomatoes.com/

オーディエンススコアの高さからファンに愛された映画といえると思います。深夜に観る映画No.1と評されますが、納得のコピーですねw

受賞歴

今作品は興行収入的にも微妙に利益が出た程度で、評論家からも称賛の声はあがらず、映画賞の受賞には至りませんでした。しかしDVD発売と共に段々と人気が出て、現在ではコアなファンがついている不思議な作品です。

一応、1998年の第48回ベルリン国際映画祭では金熊賞の候補にはあがっています。

前作ファーゴからの落差も受賞がなかった要因かもしれませんね。

エイガスキー

あらすじ

湾岸戦争があった頃のロサンゼルス・・・デュードと自称するジェフリー・リボウスキは同じ名前の富豪と間違えられて強盗に入られ、部屋の敷物に小便をかけられてしまう。敷物の弁償を求め富豪のリボウスキを訪ねるが、散々罵倒され追い返されてしまう。しかし数日後、デュードは再度リボウスキに呼び出され「妻バニーを誘拐されたから協力してほしい」と頼まれるが果たして・・・?

スタッフ・キャスト

スタッフ

[製作] イーサン・コーエン

[監督] ジョエル・コーエン

[脚本] イーサン・コーエン、ジョエル・コーエン

[音楽] カーター・バーウェル

[編集] ロデリック・ジェインズ

キャスト

[デュード] ジェフ・ブリッジス

[ウォルター] ジョン・グッドマン

[ドニー] スティーヴ・ブシェミ

[ジェフリー・リボウスキ] デヴィッド・ハドルストン

[モード・リボウスキ] ジュリアン・ムーア

[バニー・リボウスキ] タラ・リード

[ブラント] フィリップ・シーモア・ホフマン

[ウーリ・コンコル] ピーター・ストーメア

[ジーザス・クインターナ] ジョン・タトゥーロ

[ダ・フィーノ] ジョン・ポリト

[ジャッキー・トリホーン] ベン・ギャザラ

[ザ・ストレンジャー] サム・エリオット

ちなみに編集のロデリック・ジェインズというのはコーエン兄弟の別名義です。

エイガスキー

げのちゃん

兄弟2人で映画作るのが大好きなんだね^q^

※ここからは若干ネタバレがあるのでご注意ください。

感想

ビッグ・リボウスキ1

  • マヌケな人達のマヌケな事件
  • くだらないのに素敵な映画
  • 人生とはコメディだ!

ビッグ・リボウスキは何を描いているのか?

「期待して観たのにイマイチだった・・・」

今作品の感想としてたまに聞こえてくる声だ。ウォルタードニーとボーリングしながら毎日をダラダラ過ごす主人公のデュードが、ちょっと危ない人達やお金持ちの変人達のしょうもない事件に巻き込まれていくお話。その中で気弱な大家さんや、ボーリングが超上手い男色家など本筋に全く関係ないキャラクターも出てくるのもまた困ってしまう。

げのちゃん

一体何を見せられてるのか?と思うよねw

決して混乱する程わかりにくいストーリーじゃないけど、どうも消化不良を起こしやすい今作品・・・ただ、こうした物言いをつけたくなるモヤモヤ感はあれど、何故か印象に残ってしまう謎の余韻と中毒性を持っているのがビッグ・リボウスキだ。

主人公のデュードは元ヒッピー崩れのしがないおじさんでしかない。物語の主人公とは到底思えないキャラクター性や、そのデュードが同じ名前だからと間違って襲われた事から始まるストーリーなど・・・色々とパンチ力のないプロットなのだw

でも金持ちの面々も含めた全ての変な人達、そして彼らのマヌケな会話劇にはとっても癒されてしまう。

今作品は、あるダメ人間が少しだけ危険な事件に巻き込まれて、大金を手にできるチャンスに恵まれたり綺麗なねえちゃんと一晩を楽しめたりしたりと色々あったけど、結局今は友達とボーリングしてるよって話・・・。

げのちゃん

この映画が描いているのは人生そのもの?

そういう事なんだと思う。これは誰もが歩む普遍的な日常・・・人生を描いているのだ。それでは人生ってなんなんだろうか?

人生とは喜劇、くだらないけど楽しいもの

今作品はサム・エリオット演じるストレンジャーが語り部となっている。

湾岸戦争があった時代のロサンゼルスにデュードと自称する男がいたんだよ・・・とつぶやきながら始まる物語。一体どんな話なんだ!?と耳を傾けさせておいて、展開されるのはマヌケな男のマヌケな出来事コーエン兄弟の悪ふざけに「いい加減にしろ!」とつっこみたくなるよねw

でも今作品をイマイチと感じた人の中にも、どこか変な余韻だけは残ったんじゃないだろうか?ただの普遍的な人生を描いたゆるいコメディのくせに・・・なんなんだ?この余韻は!と。くだらない人生を描いた物語・・・もはや答えは出ているのだ。

げのちゃん

こりゃ落語だね!
いいえ、映画です。

エイガスキー

僕はまるで落語を聞いた後に近い感覚だったんだよね。落語とは落伍者を救うものだと言われる事があるけど、まさにこの映画じゃないか。

底辺のマヌケなおじさん達のとてつもなく普遍的な日々の中で、ちょっとだけ面白かった事があったんだ。ブシェミが演じたドニーには申し訳ないけど「デュードはまた明日も安酒を飲みながらボーリングを楽しむんだろうな~」と観てる人達を癒してくれるかのような余韻は実に心地よい。

最後に語り部のサム・エリオットがカメラ目線で「どうだい?面白い話だっただろう?」と観客に語り掛けてきた時、笑顔で「うるせーよw」とつっこみたくなるでしょう?

絶妙なテンポでこんなゆるいコメディを作ったコーエン兄弟のセンスには脱帽だよ。

渋いキャスティングの中で光るジュリアン・ムーア

ジェフ・ブリッジスジョン・グッドマンスティーヴ・ブシェミ・・・

この3人をキャスティングした時点で今作品は勝ちだよねw別にセリフなんていらないレベル、ただ画面に3人が写っているだけで笑えてくるような絵力だ。彼らの丁度良い奇人感・・・僕はたまらなく好きだよ。

そして、この中に放り込まれた大スター女優ジュリアン・ムーアは、より際立って輝いたように見えた。

もちろん主要3人だって大スターですw

エイガスキー

中盤、デュードの夢のシーンで訳の分からない衣装を着せられたジュリアン・ムーア・・・「大女優にあんな事させて一体何考えてるんだ!」と観客につっこませようとしてくるコーエン兄弟をどうしても嫌いになれない。

ジュリアン・ムーアは僕の大好きな女優の1人なんだけど、あんなイカれた格好してるのに綺麗だな~と見惚れてしまったよw

今作品は他にもフィリップ・シーモア・ホフマンピーター・ストーメアなど、名バイプレーヤー達を良い意味で無駄遣いしている。こういうキャスティングセンスもまたコーエン兄弟を嫌いになれない・・・いや、むしろ好きになるよねw

げのちゃん

一番の無駄遣いはブシェミだと思うw

確かに、この映画は結局何を言いたかったのか?と観た人にモヤモヤさせる要素があると思う。でもあるダメ男のマヌケな話を大スター達が演じた落語のような映画だと思えば、少しはコーエン兄弟という映画人を愛してもらえるんじゃないだろうか?

疲れた時とかに本当オススメだよ。だってこんなしょうもない物語は途中で寝てもいいんだから

個人的には好きな映画ですね!

エイガスキー

評価・視聴方法

ビッグ・リボウスキ2

映画オタクのコーエン兄弟ってどんな人達なの?

今作品の評価
物語・テーマ
(3.0)
配役・演技
(3.5)
演出(音楽/映像/etc)
(2.5)
観やすさ
(3.5)
余韻
(3.5)
総合評価
(3.5)

評価は★3.5をつけました。個人的にコーエン兄弟の映画は好きなものが多いですね。

今作品はコメディですが、この兄弟の真髄はやっぱりスリラーだと思います。ファーゴノーカントリーなど、何となく他にいくらでもありそうな映画なんですが、観てみると何とも独特なコーエン節があります。

彼らは幼少期から読書や映画鑑賞が趣味らしく、8mmで自主制作映画も作っていたそうですw当時はバートン・フィンクあたりから「やばい奴らが出てきた!」という雰囲気があってファーゴで爆発した印象がありますね。

かなりオススメの映画監督なので、ビッグ・リボウスキが肌に合わなかったとしても他の作品を観てあげて欲しいです。

げのちゃん

ファーゴが一番観やすいと思うよ!

「ビッグ・リボウスキ」の視聴方法

視聴可能サイトは?

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(※2020/4/30調べ)

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では、良き映画の時間をお過ごしください。

エイガスキー


(C)Polygram Filmed Entertainment、Inc. 1998