2016年公開。大人気SF映画スター・ウォーズのスピンオフ作品で、GODZILLA(ゴジラ)のギャレス・エドワーズ監督がメガホンをとりました。
スター・ウォーズシリーズの記念すべき1作目であるep4/新たなる希望の前日譚となっていますが、メインシリーズを観た事がない人でも十分に楽しめる内容となっているので、かなりオススメの1本です。スター・ウォーズの熱狂的なファンからは一部つまらないといった意見も出ておりますが、映画として一級品ですし、個人的にはスター・ウォーズ関連作品の最高傑作だと思います。
本記事ではあらすじ、キャスト・スタッフ情報の他に、個人的な感想、視聴方法も記載しています。
もくじ
作品情報
- 作品賞
- 監督賞 – ギャレス・エドワーズ
- 主演女優賞 – フェリシティ・ジョーンズ
エンパイア賞では9部門ノミネートし3部門受賞しております。スター・ウォーズをこの世に生み出したジョージ・ルーカスは黒澤明に影響を受けたと言われていますが、今作品は黒澤作品の七人の侍をオマージュしたかのようなストーリーに仕上がっております。
あらすじ
遠い昔、はるか彼方の銀河系で・・・銀河を支配しつつあった帝国軍は天才科学者ゲイレン・アーソを連行し、超兵器デス・スターの開発に従事させ完成させてしまう。しかしゲイレンはデス・スターにある致命的な弱点を仕組んでいた。その事実を知ったゲイレンの娘ジンは、戦意喪失する反乱同盟軍のリーダー達にデス・スターの設計図を奪取する作戦を提案するが、誰も耳を傾けない・・・しかし、ある名も無き戦士達がジンと共に立ち上がる事を決意する。果たしてジン達はデス・スターを食い止める事ができるのか?
キャスト、スタッフ
原案 ジョン・ノール、ゲイリー・ウィッタ
監督 – ギャレス・エドワーズ
脚本 – クリス・ワイツ、トニー・ギルロイ
ジン・アーソ – フェリシティ・ジョーンズ
キャシアン・アンドー – ディエゴ・ルナ
K-2SO – アラン・テュディック
チアルート・イムウェ – ドニー・イェン
ベイズ・マルバス – チアン・ウェン
ボーディー・ルック – リズ・アーメッド
ゲイレン・アーソ – マッツ・ミケルセン
ソウ・ゲレラ – フォレスト・ウィテカー
ターキン総督 – ガイ・ヘンリー(演技)/ピーター・カッシング(CG・アーカイブ)
オーソン・クレニック – ベン・メンデルソーン
モン・モスマ – ジュヌヴィエーヴ・オライリー
ドレイヴン将軍 – アリステア・ペトリー
メリック将軍(ブルーリーダー) – ベン・ダニエルズ
ラダス提督 – ポール・ケイシー(演技)/ステファン・スタントン(声)
ドドンナ将軍 – イアン・マッケルヒニー
ベイル・オーガナ – ジミー・スミッツ
ダース・ベイダー – スペンサー・ワイルディング、ダニエル・ナプラス(演技)/ジェームズ・アール・ジョーンズ(声)
レイア姫 – イングヴィルド・デイラ(演技)/キャリー・フィッシャー(CG・アーカイブ)
C-3PO – アンソニー・ダニエルズ
R2-D2 – ジミー・ヴィー
監督ギャレス・エドワーズ自身や、ep8/最後のジェダイの監督ライアン・ジョンソンとプロデューサーのラム・バーグマンもカメオ出演していますよ!
※ここからは若干ネタバレがあるのでご注意ください。
感想
- スター・ウォーズの底上げをした傑作
- 素晴らしいバランスの展開とキャラクター
- クライマックス~ラストは必見!
メインシリーズを観てなくても面白い
2019年の年末にとうとう完結となった「スター・ウォーズ」サーガ・・・ジョージ・ルーカス監督は、1作目のep4/新たなる希望が公開した際に「絶対に失敗する」と確信していたそうなwそれが今では世界中に熱狂的ファンを持つ映画界の至宝である。ちなみにメインシリーズを公開順にまとめると・・・
- 旧三部作
ep4/新たなる希望(1977年)
ep5/帝国の逆襲(1980年)
ep6/ジェダイの復讐(1983年) - 新三部作
ep1/ファントム・メナス公開(1999年)
ep2/クローンの攻撃(2002年)
ep3/シスの復讐(2005年) - 続三部作
ep7/フォースの覚醒(2015年)
ep8/最後のジェダイ(2017年)
ep9/スカイウォーカーの夜明け(2019年)
誰もが聞いた事のあるテーマ曲や、映画を観た事が無い人でも知ってる様々な人気キャラクター達・・・42年という歳月は伊達じゃない。僕も特段スター・ウォーズのファンというわけではないのに全エピソードを観ているし、ラストエピソードのスカイウォーカーの夜明けに至っては「とうとう終わっちゃうんだなぁ・・・」と、映画館で感涙してしまった。
今作品はそんなスター・ウォーズシリーズのスピンオフ作品であり、ep4/新たなる希望を補完するような内容となっている。が、ただのサブエピソードとなめてはいけない・・・シリーズの熱狂的なファンの中には異論を唱える人もいるかもしれないけど僕は断言するよ。
ローグ・ワンはメインエピソードをも超える最高傑作だ。
はっきり言って1本のSFアドベンチャー映画として非常に完成度が高い。起承転結のバランスがとても良いし、特にクライマックスからラストに至ってはアドレナリンがドバドバ溢れるような素晴らしい盛り上がりを見せてくれる。どうしてもシリーズ物の映画というのは、前提知識が無いと楽しめない部分があるという問題があるよね。でも今作品はスター・ウォーズの事を何も知らない状態で鑑賞しても十分楽しめるように作られているし、これこそが今作品の称賛されるべき最大の特徴だと思う。
それと、この映画を褒めちぎるにおいて絶対に触れたいのが、あるキャラクターの存在だ。
ドニー・イェンの存在感と必要性
今作品にはフォースを使うジェダイは1人も出てこない。
主人公ジンをはじめ、全員普通の人達という設定は非常に良かった。K-2SOというドロイドがいるとはいえ、ルーク・スカイウォーカーやハン・ソロような強烈な味方がいない中で、デス・スターを完成させた帝国軍と戦わなければいけないというハードルの高さは常に緊迫感を作ったし、この圧倒的な悪に対して仲間達が少しずつ一丸となっていく感じは、観ていてかなりワクワクできたよ。
それと、このデス・スターを作ったのがジンの父親ゲイレン・アーソという設定も非常に良かったね。妻を殺された事で帝国軍に恨みを持つゲイレンがデス・スターに致命的な弱点を仕込んだというのは説得力があったし、メインエピソードで説明されなかった部分を納得のいく形で補完したと感じた。
今作品は父ゲイレンがデス・スターの弱点を娘のジンに伝える事からストーリーが加速していくんだけど、前半は少しテンポがゆっくりしている。そのせいかスター・ウォーズのファン層からは「前半が退屈だ」という声もあがっているみたいだけど、僕は声を大にして反論したいね。どこが退屈なのかと。
ジェダイに憧れ、フォースを信じた盲目の最強僧侶・・・チアルートがいたじゃないか!
演じたドニー・イェンは素晴らしい。前半の見せ場ともなるストームトルーパー達をバッタバッタとなぎ倒していく戦闘シーンは数分しかない。でもこの瞬間風速のおかげで、次はいつチアルートのアクションがさく裂するんだ!?と期待してしまい、全く中だるみせずに最後まで観る事ができてしまう。何よりもメインシリーズでは絶対に味わう事のできないような毛色の違うアクションをスター・ウォーズの世界に持ち込んでくれた功績はあまりにも大きいよ。香港映画ファンは自分の事のように自慢したくなったんじゃないかな。
この圧倒的な存在感を放ったドニー・イェンには改めて感服したよ。
ダース・ベイダーの正しい使い方
スター・ウォーズには映画史上最高のキャラクターと評される超人気アイコンがいる。
それはもちろんダース・ベイダー卿だ。もしスター・ウォーズという映画に、このキャラクターがいなかったら?と考えたらゾッとしてしまう。冗談抜きで面白さは半減・・・正直なところep4/新たなる希望だけで終わり、シリーズ化しなかったまであると思う。ルーク・スカイウォーカーvsダース・ベイダーを描いたep4,5,6の人気が高い理由も、間違いなくこのキャラクターのおかげだ。ちなみに今作品ではほんの少ししか出てこない。トータルで5分くらい?でもローグ・ワンを観た人は誰もが言うと思うよ。
ラストのダース・ベイダーには震える、と。
別にジンやチアルートなど主要メンツもかなり魅力的だし、味のあるキャラクター満載で本当に良かったんだ。CGを駆使したターキン総督やレイア姫の使い方も面白かったし、ストーリーだってクライマックスに至るまでの流れが完璧だった。はっきり言ってダース・ベイダーが出てこなくても十分面白い映画に仕上がっている。ただ、そこに映画史上最高のキャラクターを正しく使った事で、今作品だけじゃなくスター・ウォーズというシリーズ全体の面白さが底上げされたように思う。
こんな事言ったらシリーズの熱狂的ファンの方々に怒られるかもしれないけど、このローグ・ワンこそ、スター・ウォーズの世界観を1番うまく表現した作品と言ってもいいんじゃないかな。ジョージ・ルーカスが作った最高のプロットをルーカス以上に活かしてる映画だよ。
シリーズ物が苦手な人や、そもそもスター・ウォーズ作品を1本も観た事がない人も騙されたと思って、まずは今作品を観て欲しい。めっちゃくちゃ面白いよ。
評価、視聴方法
メインシリーズより面白かった理由
今作品はメインシリーズと決定的に違うところがあります。
それは勧善懲悪のストーリーではない事・・・メインシリーズでは基本的に反乱軍vs帝国軍、ジェダイvsシスというわかりやすい善と悪を描いていますが、今作品では主要キャラクターの6人含め、主人公サイドを完全なる善で描いていません。特にキャシアン・アンドーやソウ・ゲレラなどは、大義の為なら多少の犠牲は仕方ないという考え方を持っていましたね。こうした視点によって善にも悪にも見える構図や設定がリアリティを作り、映画としてより深みが増すんだろうと僕は思います。
もちろんですが、ファンタジー映画にリアリティを持たせる事=絶対に面白さが増すわけではないですよ!ただ僕自身の好みというだけですwスター・ウォーズだけじゃなくMCU、ハリー・ポッターなど長くシリーズ化されている映画というのは、観ていて面白いのは間違いないんですけど、正直なところ僕はあまり記憶に残りません。ですが今作品は、何十年経っても愛される本当によくできた名作だと感じましたね。
大作というだけで食わず嫌いしてる人も是非!オススメできます。
「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」の視聴方法
Amazonプライムなら年間プラン4,900円(税込)または月間プラン500円(税込)で映画の他にも松本人志のドキュメンタルやアニメ、primeオリジナル作品なんかも見放題なのでお得ですよ!
「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」をamazonで観る
ドニー・イェン演じるチアルートのアクションに惚れ惚れした方は、是非カンフー・ジャングルをご覧あれ!見応え抜群の超アクションを楽しめますよ!
では、良き映画の時間をお過ごしください。