エイリアンの生みの親リドリー・スコット監督の21作目となる映画です。
ストーリーはエイリアンの前日譚を描くというファンにはたまらなく嬉しい悲鳴となりました!が、残念な事に酷評が目立つ結果に・・・エイリアンファンの間でも渋い声が飛び交いました。
ですが個人的には非常に面白かったですし、改めてリドリー・スコットは素晴らしい監督だと声を大にして叫びたい気持ちです。というわけで今作品を何故面白いと思ったのか?理由も含めて、出来る限りネタバレ無しに考察・解説していこうと思います。
[ジャンル]SF、ホラー[作品時間]124分
[公開日]米:2012/6/8|日:2012/8/24
- キャスト情報が知りたい!
- どんな映画なのか知りたい!
- 視聴方法を知りたい!
もくじ
作品情報
興行収入的には日本だけでも18億円たたきだしてるので決して失敗ではありませんが、評価としては苦戦しているのがわかりますね。
受賞歴
残念ながら受賞はありませんでした。他映画を凌駕する圧倒的に美しい映像がポンポン出てくるだけでも価値があると思うんですけどね。
げのちゃん
あらすじ
西暦2089年、考古学者のエリザベス・ショウとチャーリー・ホロウェイは古代遺跡である星図を表す壁画を発見する。それは世界の様々な遺跡で見つかった物と明らかに共通点があった。ウェイランド社は人類の起源を探る為に彼らを含めた調査チームを編成し、宇宙探査船プロメテウス号で星図の指し示す星へ調査へ向かわせた。そして惑星LV-223に到着した彼らは、滑走路やドーム状の建造物を見つける・・・果たしてそれらを作ったのは誰なのか?
スタッフ・キャスト
[製作] リドリー・スコット、トニー・スコット、デヴィッド・ガイラー、ウォルター・ヒル
[監督] リドリー・スコット
[脚本] デイモン・リンデロフ、ジョン・スペイツ
[音楽] マルク・ストライテンフェルト
[エリザベス・ショウ] ノオミ・ラパス
(幼少期) ルーシー・ハッチンソン
[デヴィッド] マイケル・ファスベンダー
[レディス・ヴィッカーズ] シャーリーズ・セロン
[チャーリー・ホロウェイ] ローガン・マーシャル=グリーン
[ヤネック] イドリス・エルバ
[ファイフィールド] ショーン・ハリス
[ミルバーン] レイフ・スポール
[チャンス] エミュ・エリオット
[ラヴェル] ベネディクト・ウォン
[フォード] ケイト・ディッキー
[ショウの父親] パトリック・ウィルソン
[ピーター・ウェイランド] ガイ・ピアース
げのちゃん
エイガスキー
※ここからは若干ネタバレがあるのでご注意ください。
感想
- エイリアン1作目は観ておこう!
- 圧巻の映像美はまさに超映画体験
- ツッコミ所が多くても面白い作品
リドリー・スコット監督の魅力とは
SFホラーの金字塔と言えば、やっぱりどうしてリドリー・スコット監督のエイリアンだ。
もし観た事がない人でも、あの黒くて恐ろしいエイリアンの事は誰もが知っている。79年に爆誕したエイリアンは、その後も大人気シリーズになって映画史に燦然と輝くキャラクターなのは間違いないんだけど、昨今はちょっと雑に扱われてきた・・・というか変な映画に出すぎて格が落ちたと思う。
はっきり言って僕はプレデターと戦ったエイリアンは好きじゃない。「エイリアンサーガはそんな安いもんじゃないんだ!」と当時は叫びたかったよ。そんな心の叫びが届いてくれたわけじゃないけど、リドリー・スコット監督が自身でセルフリブートという形で今作品を作ると言い出した時は本当に嬉しかった。
というわけで早速レビューしていきたいけど、まずはエイリアンという映画について。実はこの1作目には解き明かされていない謎がいくつかあった。
エイリアン(1作目)のストーリーをザックリ紹介
どうだろう?冷静にこうして書くとわけわからないよね。特にスペースジョッキーと呼ばれている巨人の存在・・・そして彼らが自身の宇宙船に狂暴なエイリアンの卵をたくさん積んでた理由。
今作品プロメテウスでは、この巨人の謎をリドリー・スコット監督自身が描いてくれるというのだから期待しないはずがない。しかも同時にエイリアンの前日譚となっているというんだから!
そんな期待値MAXで観た結果、冒頭の数分で観客にさらなる謎を突きつけてきたリドリー・スコット監督・・・今作品もキレッキレだったよ。
「わけわかんねえよ!」
「設定が雑すぎ、矛盾だらけじゃないか!」
「つまんない」
辛辣な感想を投げつける皆さんに言いたい。申し訳ないがあなた方はこの監督の事をわかっていない。この人は昔からトンデモ展開の映画ばかり作ってきた。そもそもリドリー・スコットという人はいつも雑なんだよ!
にも関わらずめっちゃくちゃ面白い映画を作るからたまらないんだ。
人類の起源とエイリアンの誕生
今作品の軸となるストーリーは人類の起源を描いている。
その起源を探っていくと、スペースジョッキーの謎やエイリアンの誕生に結びついていくという寸法だ。
エイガスキー
すごく壮大なテーマだし、個人的には大好物なプロットだから僕は楽しめたんだけど、今作品は前述したように批判も結構飛び交っている。その理由は色々あるだろうけど、理解できるわけがない冒頭シーンの責任は大きかったと思う。
説明もなく、突然真っ白いマッチョな奴が変な薬を飲んだと思ったら体がボロボロと崩れていき死亡。そして「PROMETHEUS」とタイトルが出てきて物語が始まる・・・。
空にUFOみたいのが飛んでたから宇宙人という事は理解できても、彼のいる場所がどこなのかわからないし、いきなり自殺してるし、はっきり言って理解しろという方が無茶だよねw僕も調べて初めて知ったけど、まずあの場所は生命体がまだ存在しない遥か昔の地球で、白いマッチョの男は自身のDNAを地球に撒いたところだったんだってさ。
げのちゃん
おわかりいただけただろうか?
もう1度言うけど、今作品は人類の起源を描いているのよね。つまりリドリー・スコット監督は開始数分で壮大なネタバレをしてきたという事になるw
本来なら「ふざけるな!」と言いたくなるスタートだけど、どうかリドリー・スコットという人を嫌いにならないで欲しいw何故なら今作品の肝は、この人類を作った奴らとエイリアンの誕生がどう結びつくのか?という部分なのだから。
進化論を否定したような新説にエイリアンの前日譚を調和したリドリー・スコット監督・・・
この発想だけでも僕は面白いと思うけど、いくらフィクションとはいえ、人類の起源とエイリアンの誕生をリンクさせた事に拒否反応が出た人がいても仕方ない。それに矛盾点というか設定にツッコミ所が多かったのも事実だし、批判の声は理解できる。
でもね・・・それでもこの映画が面白いSFホラーだという事は譲れないのよ。
抜群の映像美とえげつないグロシーン
今作品は信じがたいほど美しい映像をたくさん観る事ができる。
意味不明な冒頭シーンだって大自然を大迫力で見せてくれるし、スペースジョッキーのコックピッドで描かれる幻想的な3Dの宇宙マップはホラー映画とは思えないほど見入ってしまう。特に砂嵐から逃げるシーンはすごかった・・・これこそがまさに映画だよ。
3D地図を作る為に飛びまわる道具もすごくワクワクするアイデアと映像だったね。それが生命反応を探知して不穏な音を発するあたりの緩急のつけ方もまた絶妙だった。
リドリー・スコット監督は1作目のエイリアンで、ゆっくりしたテンポなのに飽きさせず、気が付けば恐怖のどん底に観客を陥れていた。今作品もまた同じく、美しい映像に見とれていたら真横に巨大な恐怖を置いてくる。
視覚的にも精神的にもエグい自動手術マシーン。あの映像はトラウマ級だよ・・・本当に息を飲む事もできなくなったね。
エイガスキー
ブラック・レインなんかもそうだけど、リドリー・スコット監督は確かにツッコミ所が多い大味のストーリーの作品が多いかもしれない。でも展開の仕方や大事なシーンのタイミングなど、何と言うか見せ方がずば抜けて上手いんだ。
別に対比してるわけじゃないんだけど、極上の映像美と極悪なグロ映像のバランスが丁度良かったし、この独特な緩急こそがリドリー・スコット監督の真骨頂なんだと思う。この素晴らしい映画体験は財産になると言っても過言じゃない。
やっぱり僕はこの監督とエイリアンという作品が好きだ。
評価・視聴方法
エイリアンシリーズってどんな映画なの?
個人的に好きな監督とシリーズなので、ちょっと甘めに評価しちゃったかもしれませんw
僕はエイリアンシリーズの中で4作目とvsプレデターは少し苦手ですが、他は全て大好きです。その理由は監督ごとに全然違う色の作品なのに、それぞれが違う面白さを持っている点。
- リドリー・スコット監督によるSFホラー
- ジェームズ・キャメロン監督によるアクション超大作ホラー
- デヴィッド・フィンチャー監督によるサスペンスホラー
シリーズを通してジャンルが変わるって他にないと思います。どれも怖いのは間違いないので敬遠している人もいるかもしれませんが、是非いつかご覧になってみてください。今作品や続編のエイリアン:コヴェナントも含めてエイリアンシリーズは傑作揃いですから!
あまりにも好きすぎるせいか監督の事ばかり書いて俳優陣に触れていませんでしたけど、デヴィッドを演じたマイケル・ファスベンダーの演技は本当に素晴らしかったですw
エイガスキー
「プロメテウス」の視聴方法
げのちゃん
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げのちゃん
エイガスキー
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